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【すくむ社会第1部】手書き主義のラジオ番組〜『考える』の空洞化(4) (1/3ページ)
ラジオ関西(神戸市)の深夜番組「青春ラジメニア」は、平成元年4月の放送開始から1000回を超える放送回数を重ねるアニメソング番組だ。手書きはがきにこだわり、電子メールのリクエストを原則認めないという、最近では珍しい番組でもある。
「手書きはがきからは送り手の気持ちが伝わってくるが、画一的なフォントで表現されるメールだと、こうはいかない」
そう言うパーソナリティーの岩崎和夫さん(55)は、毎週収録日に出勤すると、まずは届いたはがきの束を手に取ってトランプのように机に並べる。こうして、じっくりとはがきを見ながら、その日の番組構成を考えるのが20年続く習慣だ。
送られたはがきは緻密(ちみつ)なレタリングで書かれていたり、時節のエピソードが書き込まれていたり、丹精込めて書き上げた様子がうかがえる。岩崎さんは「常連さんのはがきは字体や体裁から誰のものか、すぐに分かります」と言い切る。
番組は熱っぽいリクエストあってこそ盛り上がる。岩崎さんは、メール投稿が増えれば増えるほど、熱っぽさが失われてしまうと懸念しているのだ。
最近はインターネットで音楽を手軽にダウンロードする仕組みが浸透する一方、リクエストスタイルの番組は相次いで姿を消している。こだわりの投稿で支えられる番組だけに、投稿内容の質が低下すれば存続の危機に直結しかねない。
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近年の若者のラジオ離れは深刻だ。かつては深夜放送を聞きながら受験勉強をする中高生も少なくなかったが、今やラジオ自体を持たない人も多い。
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