2009-03-09
■[書評]マンガ好き必見の編集者対談有ります:フリーペーパー「dictionary」126号
入手方法はこちらをごらんください。
沢考史週刊少年チャンピオン編集長と岩井好典コミックビーム副編集長の対談が載ってるフリーペーパーがあると聞いて、配布場所を何店か見て回ったもののどこも配布終了。仕方がないので皿を買って通販特典で手に入れました。A5判平綴じ140ページ、タダであることが信じがたいフリーペーパーです。
さて本題の編集者対談「神なき時代の漫画の作り方」ですが、これが期待にたがわない、いいものでした。マンガが好きでマンガ編集が大好きな愛すべきマンガバカ2人が、すっごくいい表情でマンガに対する思いを語っている姿が脳裏に浮かんできます。
岩井 沢くんってヒラの編集だった頃、編集長に新しいネーム持ち込む時はいつも、ネームを出す手と反対の手は、握り拳を作って、「このネーム通さなかったら、ぶん殴るッ」ってしてたんでしょ?
沢 気持ちだけです、気持ちだけ(笑)。
こことかもう最高ですね。自分の担当作品のことをこれだけ愛せる編集者は、そうはいないです。
また当然ながら編集者としてためになることも多く、
岩井 最近の漫画ってさ、「物語」があるとして、その物語の「凪」の部分っていうか、「休み」の部分をずーと引っ張ってるような作品が多い気がするんだよなあ。そういう「ヌキ」のパートって、大きな物語の中でスパイスとしては大事なんだけど、そのスパイスしか描いてないような感じで。
という発言にはガツンと頭を殴られるような衝撃をうけました。自分も含めて最近はみんなスパイスのことばっかり考えてるけど、スパイスだけでは料理にならない。意識して気をつけていかないといけないことだと思います。
最後に。お2人の共通の先輩であったという「Hさん」の言葉が非常に面白かったので紹介します。
打ち合わせで「さすが先生、そう来るとは!」って言ってるだけで、ヒット漫画が出来ているのが、編集として最高の状態なんだ。新人とかだとそういうワケにいかないから、いろいろ打ち合わせしなきゃいけないんだけど、基本的に最高の状態は、そういうものなんだ
漫画はキャラだキャラだ言うけど、キャラが立ってるのが読みたいならゴラクを読め! 主人公が、強くて、格好良くて、ケンカ強くて、女が出てきたらみんな抱かれる、あれが「キャラが立ってる」ってことだ
面白くて勉強になるいい対談ですので、機会がありましたらぜひ一度ごらんください。