2009年4月11日

２試合連続でフル出場したなんて、いったいいつ以来でしょうか。
たぶん、セントルイス時代まで遡らないといけないくらい、
記憶にありません。おかげで身体が張りまくって、その張りは苦しいけれど、出してもらえるのだから嬉しい痛みです。

おまけに今日は、監督にほめられちゃいました。
試合後、選手たちに
「いいゲームだった！特に何がよかったか、というのは、
ソウのあの守備だ」

相手のレフトへのヒットを、僕が１塁で刺したのです。
「あのプレーは見事だった」

・・・ここで終わらせたいのですが、実は続きがある。
「あのどっしようもない三振のあとなのに！」
その前の回、僕はイニングの最後のバッターで、
当たる気配すらない、惜しくもなんともない、無様な
三振を披露。
監督は、「あんなにひどいことをしたくせに、気持ちの切り替えがすごい」
と言いたかったのでした。

嬉しいような、嬉しくないような。

テキサス州ラウンドロックにて　田口壮　

2009年4月10日

ヒットが１本出て、チームも勝って、気持ちは本日開幕。
わっとはしゃぎたくなるところですが、神妙な気持ちで、
マイク・クールボー（享年３５歳）を偲ぶセレモニーを
ベンチから見ていました。

カージナルスで一緒だったマイクは、阪神に在籍したスコット・クールボーの弟。
３Ａのメンフィスで共にプレーし、恵まれた身体から繰り出す強打で、大変人気のある選手でした。奥さん同士も仲がよく、
一緒に並んでゲームを見ていました。
引退後はコーチに就任。そして２年前の７月、このメールでもお伝えしましたが、一塁のコーチャーズボックスに立っていた彼の首に、ライナーのファウルが直撃したのです。

僕らの対戦相手、ラウンドロック・エキスプレスにかつて在籍したマイク。
彼の死をきっかけに、コーチもヘルメットを被ることになりました。
若くして引退し、後進のコーチに乗り出したその矢先の出来事に
本人も家族もどれだけ無念だったろうと、胸が痛みます。

今年のマイナースタートは、僕にとって想定されていたこと、とはいえ、やはり悔しい気持ちは否めません。
しかし、マイナースタートだったからこそ、今までのアメリカでの経験を今一度おさらいするような機会に恵まれたのは確かです。
相手チームには、３Ａ、２Ａで長らく一緒だったジョン（ゴール・外野手）がいました。
マイクにも再会することができました。
あの頃、僕たちは、何が何でも上に行こうな、と言い合っていました。
全員が同時に上がれることなどないのに。
チームメイトの誰かが上がると、悔しく、でも、よかったな、と
思ったりしました。

自分たちが今までどんな気持ちで何をしてきたか、どんな思いで上を目指していたか。
数年メジャーにいたからといって、「上から落ちてきた僕」ではなくあの頃のように「遠い上を目指す僕」でありたい。

マイナーリーガーに共通する、メジャーへの憧れと、敵対心を持つ。
「実質上」開幕した今日、またそこからやり直しです。

テキサス州ラウンドロックにて　田口壮　

2009年4月9日

３Ａで迎えるシーズンが開幕しました。
オープン戦とはまた違った緊張感に、選手もでしょうが、
裏方さんも、まだ動きがぎこちない。
バックスクリーンの電気広告が、投球中に動いてしまったり、
どう見ても９５マイルは出ている球が、８８マイルと表示されたり。
それがまた、苦笑しつつ「始まったなー」という気分にさせてくれるのです。
毎年開幕直後の数試合は、まだ寒さの残る土地もあり、
かじかんだ手を温めている僕。しかしここテキサスは
気温も高く、アリゾナの環境を引きずってこられたようでありがたい限り。

そういえば、マイナーの試合がラジオで聞けて、インターネットのテレビでも見られるようになっているそうです。ＧＡＭＥＤＡＹという、一球ごとに試合を追うシステムもできているらしい。
以前はメジャーの試合でしか使われていなかったものが、
しばらくご無沙汰しているうちに、
マイナーにも適用されていました。時の流れを感じます。
数年後にはさらに詳しく報道されるんでしょうが、
年齢的にもこれが最後のマイナー生活のはず。
今度は見る側に回っているかもしれません。

ちなみにうちの監督は、僕より４つ年上。つまりはヨメと同い年です。

テキサス州ラウンドロックにて　田口壮　

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