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ラノ漫 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-08-13

今日の一枚

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夏の平和な昼下がり。




[]編集オタが非オタの彼女にマンガ編集世界を軽く紹介するための10本


アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本


まあ、どのくらいの数の編集オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、


編集者ではまったくないんだが、しかし自分の仕事を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないマンガ編集の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」


ような、編集者の都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、マンガ編集のことを紹介するために見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。


(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にマンガ編集布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)


あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴うシリーズものの本は避けたい。


できれば図解入り、長くても単巻のハードカバーにとどめたい。


あと、いくらマンガ的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。


研究者が『鳥獣戯画』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。


そういう感じ。


彼女の設定は


マンガ家マンガ」的なものを除けば、マンガそのものは結構読んでいる


サブカル度も低いが、頭はけっこう良い


という条件で。


まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。






奥村勝彦・岩井好典会見録

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、気さくに色々話してくれるという点では外せないんだよなあ。コミックビームも13年目だし。


さらりと嫌味にならず、それでいて必要最小限の情報を教えてくれる、いい対談だと思う。






元少年ジャンプ編集長 堀江 信彦に聞く(後編)

アレって典型的な「編集者が考える一般人に受け入れられそうな編集者論(そう編集者が思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。


「ちょっとダサい要素がないと売れないと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。






マンガ編集者狂笑録

ある種の編集者オタが持ってる過去への憧憬と、長谷邦夫のオタ的な考証へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えて存在自体がマンガ


ツンデレ的なださカッコよさ」を体現する壁村耐三

竹熊健太郎的なマンガプロデューサー」を体現する長崎尚志


の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。






キャノン先生トばしすぎ

たぶんこれを見た彼女は「変態ね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。






漫画をめくる冒険

「やっぱりマンガ理論だよね」という話になったときに、そこで選ぶのは菅野博之でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、「School Rumble」にかける泉信行の思いが好きだから。


School Rumble」を俺自身は例として不適とは思わないし、発見も多いとは思うけれど、一方でこれが菅野だったら自分できっちり描いたわかるようなわからないような絵にしてしまうだろうとも思う。


なのに、マンガ読みが眉をひそめそうな作品で解説を行ってしまう、というあたり、どうしても「自分が好きなもので論をぶってしまうオタク」としては、たとえ泉がそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。


引用作品の評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。






マンガの読み方

今の若年層で実物を見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。


こういうクオリティ研究書が商業出版でこの時代に刊行されていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくマンガ好きとしては不思議に誇らしいし、「たけくまメモ」でしか竹熊を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。






さらば、わが青春の『少年ジャンプ』

長野規の「目」あるいは「雑誌づくり」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。


「口ではどう言ってもジャンプのやることには目が離せない」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、その強さは長野が構築したロジック抜きではあり得なかったとも思う。


今後も当分の間マンガ誌の頂点に君臨し続けるとするなら、その力の源はアンケート至上主義にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。








慶應義塾大学SFC熊坂研 IKKI編集部インタビュー

これは地雷だよなあ。未編集とか削除要求とか、そんなスリルは味わいたくないなあ。


こういう作家編集者の生々しいエピソードを読んで、それが受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。








「奇」の発想

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に選んだ。


ビームから始まってマガジンで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、テレビの普及以降のビジュアル時代の先駆けとなった編集長でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。


というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。




「駄目だこの編集者は。俺がちゃんとした編集を見せてやる」というのは大歓迎。


こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。