生駒市が開設を目指す市立病院への病床配分を巡り、県と県医師会が対立している。今年2月、塩見俊次県医師会長が会長を務める県医療審議会の結論を覆し、県が病床配分を決めたためだ。
これに反発した医師出身の医療審委員ら7人が辞任届を出す事態に発展した。2月定例県議会では、荒井正吾知事が「病院の新設に既存の病院が反対している。(医療審は)利害調整を果たす役割にもなる」などと答弁し、事態を難しくしている。
最適な医療の供給のためには、官民の協力が必要不可欠だ。県内は救急搬送の受け入れや産科医をはじめとする医師不足など、待ったなしの課題が山積している。今こそ大人の対応が求められる。(阿部)
毎日新聞 2009年4月14日 地方版