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生活危機:母子家庭で就職予定の高3、進学断念が4割 生活苦理由に--あしなが調べ

 父親を亡くした母子家庭に育つ高校3年生の約3割が就職を希望し、うち4割が生活苦を理由に進学を断念していることが、遺児の進学を支援する「あしなが育英会」の調べで分かった。同会は「不況で母親の収入が減り、母子家庭がより厳しい生活に追い込まれている」とみている。

 調査は昨年12月、同会の奨学金を受けている当時の高校3年生にアンケート形式で実施した(回答数582)。就職希望者は27・8%(162人)で、同じ時期に文部科学省が調査した高校3年生全体の平均(19・3%)を上回っている。

 就職希望者に理由を聞くと、「進学したいが経済的に進学できない」が21%、「家計を助けるため」が19%で、合わせて40%が授業料などの負担を心配しやむなく進学を断念。元々進学に関心がないといった回答は15%にとどまっている。

 同会の調べでは、父親を亡くした母子家庭の母親の勤労所得は07年に約134万円。98年と比べ3割以上下がり、一般世帯の約3割にしかならない。大学での奨学金希望者は年々増えているが、限られた資金の中で高校生への貸与を優先しており、大学生への貸与を増やすのは難しいという。工藤長彦(としひこ)理事は「大学全入時代といわれる今でも、遺児は希望しても進学できない実態を知ってほしい」と訴えている。

 同会は春の街頭募金を18、19、25、26の4日間、全国約250カ所で一斉に実施する。郵便振替(00140・4・187062 あしなが学生募金事務局)でも受け付けている。問い合わせは同会(03・3221・0888)。【山崎友記子】

毎日新聞 2009年4月14日 東京夕刊

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