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地域医療を守り育てる会、橋本医師招き懇談会〜「医療の役割分担が必要」
(4月14日付け)
 崩壊寸前にある地域医療の充実に向けて自分たちに出来ることを考えようと勉強会を重ねている市民有志グループ「地域医療を守り育てる会」(鈴木さよ子代表世話人)は12日、市立上渚滑診療所の橋本英二医師を講師に招いた懇談会を上渚滑町民センターで開催した。地域住民や同グループの会員、さらに紋別市街地から訪れた一般参加者ら25人ほどが出席し、「地域医療と予防医療について」をテーマに橋本医師とざっくばらんに意見を交換した。橋本医師は「軽い病気は診療所で治療し、重症者は総合病院へ紹介するという方向性を決めるプライマリーケアが診療所の役目」などと述べ、病状に応じた医療機関の役割分担の必要性を語った。
 橋本医師は上渚滑診療所の現状を紹介。外来診療のみを行っており患者数は1日平均20人であること、医療活動としては慢性疾患(高血圧・糖尿病の治療・投薬・検査)への対応が主で、入院治療を要する重症患者は道立紋別病院や遠軽厚生病院へ紹介していることなどを説明した。その上で診療所の役割について「通院・外来で済むのか、救急患者として総合病院へ送るのか、その判断を正しくすることが役割。総合病院との役割分担・連携をはかり、出来るだけ完璧を期していきたい」と述べた。このほか独自で不定期に開いている食事療法などの健康セミナーについて「高血圧や脳卒中、糖尿病、メタボは生活習慣病の改善でかなりの部分が予防できる。薬を飲めば症状は抑えられるが、治療にはならない。根本的には食生活に気をつけることが大切」との思いを語った。
 質疑応答での話題は「道立病院はなくなってしまうのか」「どんな先生なら来てくれるか」「患者に改善してもらいたいことは?」などと多岐にわたり、橋本医師は「若い専門医は最先端の大病院に行きたがる」「特に高齢者に『自分は大丈夫』という根拠のない自信を持つ方が多く、検診を受けない」などと答えていた。このほか小さなことでも相談しやすい橋本医師の人柄を称え、感謝する声も相次いでいた。
(市立上渚滑診療所の橋本医師が、同診療所の役割などについて語った=写真=)

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