08年度の教科書検定で「新しい歴史教科書をつくる会」が主導し自由社が発行する中学社会科(歴史的分野)の教科書が合格したことを受けて、歴史問題や平和、教育関係などの市民グループ34団体が9日、東京都内で記者会見し、教科書の不採択を訴える共同アピールを発表した。
つくる会の教科書について「太平洋戦争が侵略戦争だったことを認めず、アジア解放に役立った聖戦と美化している」と批判。「日本国憲法の理念を敵視する考え方を一方的に子どもに注入するような教科書は許されない」と主張している。
一方、つくる会の藤岡信勝会長は同日、記者会見で「伝統と文化の尊重や愛国心などを明記した改正教育基本法を踏まえて編集した。新学習指導要領の方針も先取りしている」と話した。【加藤隆寛、井上俊樹】
毎日新聞 2009年4月10日 東京朝刊