発売日 | 1997年11月20日 |
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メーカー | スクウェア |
価格 | 5800円 |
備考 |
現在感想は4本あります
アインハンダーは従来のシューティングとは違う楽しさがあると思う。ガンポッドに弾数制限があるのは緊張感があって良いし、必死に弾を溜めて一気に使い切るのも妙な爽快感がある。また、薬莢が飛び出すなどの細かいアクションのリアリティもカッコイイ。ストーリーもそれなりにラストの展開が良くて、感情移入できた。音楽はオーケストラっぽいのからテクノっぽいのまで色々ある。
「シューティングはこうあるべきだ」という先入観、価値観を持ってプレイすると絶対に損する作品。
隠し機体のアストライアーマーク2あれは反則的に楽で初心者でも簡単。でもだすのが大変。だって難度ハードをコンテニュー3回いないでクリアーですからとても大変。でもその後が快感でいい気分。とても楽でおもしろい。なんてったってガンポットの弾数が9999ですから。
シューティングゲームというものは大きく2タイプ、それもいわゆるアーケード作品と、直接プレイステーションなどにソフトとして発売されるものに分けられ、それぞれの特徴はハッキリとわかれている事がうかがいしれる。
豪快に弾やレーザーを吐き出し、画面一杯にうめ尽くされる敵機を力押しで撃破していくか、どちらかといえば戦略性を重視して、多少難しくとも、必ずしも力押しで進めるとは限らないかの、どちらかだと思う。そのため、多くのシューティングゲームファンはこの二つのうちどちらかに二分されると聞いた事がある。
もしそれが事実なら私は後者の家庭用ゲームソフトタイプといえる。
正直アーケードゲームをわざわざしにいくがらでもないし、このアインハンダーという作品が僕にとっては極めて良質の作品であると確信しているからであり、ただただ連打とかわしのみのアーケードのシューティングなどよりも、遥かに面白いと思えるからだ(断っておくが、アーケード作品が劣悪である、と言っているわけではない)。
話がそれているが、何故そう思うのかというと、やはりプレイヤーの立場に立った演出の異様なまでの凝り具合(映像処理の美しさや、ロード時間が発生しない事)と、確実に独自の世界(レーザー兵器やビーム兵器が局所的に使用されるため、実弾兵器のバリエレーションがリアル)を創り出している事を証明する為に、随所での細かい配慮(全てのシークレットボーナスを出現させるなどして、ゲームの完全クリアを果すと、必然的に、ゲーム中に与えられる指示が果されている事がわかる。徐々に追加されるギャラリーものその一つだ)からステージの構成、ストーリー性に至るまで充分に練ってあるからだ。つまり、一つの完結した作品として成功しており、単純にシューティングゲームとして楽しむ事も、裏の設定や主人公機に登場しているであろう人物の心情や歴史的な背景なども楽しむ事さえ出来るからだ。
システム的な点では、難易度が極端な気もするが、機体選択でも機体の性能的なもの(隠し期待も含めて)でもハッキリと個性化されており、やはりプレイヤーに対する配慮は見事であろう。なぜなら、単純なバリエーション程度なら、一度クリアしてしまえばどれを使っても同じようなものだし、あまり何度も繰り返しプレイしつづけることは到底出来そうにもない。私は2002年現在でもアインハンダーをプレイしているが、そういう点では成功しているだろう。
アインハンダーの特筆すべき点は何と言っても音楽、BGMであろう。ゲームの本質的な部分である視覚的なものがゲームシステムや内容(もちろんこれも優れているのだが…)であるかもしれないが、聴覚的な本質であるBGMもまた非常に優れているのである。近未来の暗い世界観を的確に表現できているだけでなく、緊迫感、恐怖心、圧倒的敗北感などがそこから感じる事が出来、素晴らしいとしか言いようがない。その為、対ボス戦は全ステージ通して最高といえる。殊第6ステージの“熱圏”は、コレほど熱くさせてくれる音楽そのものも類を見ない。実をいうと、私は偶然購入した、そのサウンドトラックの曲を聞いてから、あまりの曲の出来のよさに感動し、ゲームに対する周囲の評判を確かめる為にアインハンダーを手にしたのだが、やはりこの作品は音楽の占める割合が大きい事は確かだった。
アインハンダーに対する意見が大きく分かれている一方で、そのBGMに対する評価はあまり耳にしない。私はアインハンダーの隅々までプレイしたつもりだが、作品が気に入らないという方でも、BGMくらいは黙って聞いてみるのもいいかもしれない。
私はゲームそのものも、BGMも、ともにおススメだと自信を持って言える。
これと言った特徴は皆無に等しい。まあ説明するとスクウェアお得意のポリゴンで描かれた世界を激走する、「シューティングの醍醐味」が一番発揮されるという2Dをあえて採用した熱くなるSTG。・・を目指したものらしい。が、どうしたものか。2Dなのにあえてポリゴンで描き、演出を重視させた点はスクウェアらしくおおいに評価できる。しかし、それとSTGの醍醐味であるハデな爽快感がうまく両立できていない。敵を倒しても爆発せずダラダラ崩れ落ちていくさまはどうもやる気を失わさせる。ボタンを押しっぱなしでも連射になるので昔からSTGにつきものだった連打も必要なくなっている。しかもやたらと難しい。敵から武器を奪いとるというシステムも誰でも思い付くような単純なアイデアだ。目に止まるシステムは連続で敵を倒す程高得点が得られる事ぐらいだ。
それよりも何なのか、この感じは。ゲームを開始すると機械でできた小さな敵がたくさん来る。その後も同じような機械の敵ばかり。機械でできたボスを倒すと、次は機械でできた列車ステージ。それをクリアすると今度は辺り一面機械だらけのステージに突入し、その次も同じ機械のステージ。その間も同じような機械のザコ敵を倒し、機械をとってパワーアップする。
なんなんだこれは。ハナからケツまで機械ばっかしだ。どのステージも見た目はほとんど同じで、今自分が何面にいるのかさえわからなくなる。ステージをクリアした事さえ気付かない時もある程だ。ストーリーの設定上そうしたと言うなら、そのストーリーそのものが失敗だ。
いやおうなしの失敗作。だがこのゲームが目指していた方針はなかなかのものじゃないだろうか。そこにはSTGの新しい形が見えてくる。とくに最終ボスとの戦闘シーン。あれがこのゲームが目指していたSTGの新しい形「半3DSTG」だったんじゃないだろうか。つまり2Dなのにあえてポリゴンを採用した事により、クリエイターの任意で途中から2Dから3Dへチェンジ、またその逆もできるようになったのだ。これはまったく新しい感覚のゲームになるのではないだろうか。プレイできないのでその形が成功なのか失敗なのかわからないが、試験的にそういうゲームを創ってみる価値はあるんじゃないか。 これで視点移動による演出と爽快感が両立できるだろう。
あと単純なガン・スナッチャーシステムとやらの改善案をかかげる。あんなものは子供でも思い付くアイデアだ。しかしそこから新しいシステムの形が思い浮かんだ。まず弾数制限などいらない。あれは爽快にぶちかます快感を邪魔している。その新しいシステムとはガン・チューンナップシステムだ[英語がわからんので適当]。これは武器を奪っていくと、どんどんその武器の特性が追加され、プレイヤー独自の武器が創りだせるというシステムだ。最初はただのノーマルショット。そこにバルカンをとると連射度がアップする。が、威力はおちる。とる程そうなっていく。さらにカノンをとると威力はアップするが連射度は少しおちる。そんな感じで、ワプスはとる程追尾度がアップするが連射度はおちる。スプレッダーをとる程散弾性はアップするが威力はおちる。等々。このように色々な武器のとり方によって様々な形態に進化するのだ。一度やられると最初からやり直しになる事や、同じ人は結局同じ進化ばかりする等の問題点はあるが、それらを改良すると、同じ事を繰り返すが、「プレイヤーしだいで独自の武器を創りだせる」画期的なシステムになるのではないだろうか。
アインハンダー。間違いなく失敗作だが、そこには未来の形が見えてくる。なんともおしい作品であった。