ハローワーク大宮に早朝から並ぶ求職者たち(13日午前8時25分、さいたま市大宮区で) |
雇用情勢にいまだ好転の兆しが見えないニッポン。新年度を迎えた各地のハローワークは、求職の申し込みや失業給付の受給手続きのために訪れる失職者らで混雑を増している。
3月末で解雇された人が多いとみられるが、受給手続きに必要な離職票が会社から届くには数日かかることから、ハローワーク側は「今週が混雑のピークではないか」とみている。
背広姿の中年男性、ジャージー姿の若者、幼児を抱いた若い女性、外国人……。さいたま市のハローワーク大宮には、13日午前8時半の業務開始前に103人が列を作った。
最前列に並んでいた男性(50)は午前6時40分頃に到着。3回目の来所といい、「働く意欲はあるが、仕事がなかなか見つからない」とこぼす。元期間従業員の男性(36)は、「前回は雇用保険の手続きに3時間かかった。求職者が多いから仕方がない」と疲れた表情だ。
例年、年度末に契約が切れる非正社員が多いため、ハローワークは4月が最も混雑する。とりわけ月曜日は混雑が激しいが、今年は拍車がかかっているという。
ハローワーク大宮では、今月最初の月曜の6日も、業務開始前に100人以上が並んだ。来所者は昨年に比べ約1・5倍。待ち時間は2〜3時間に及ぶこともあり、午後5時15分の受け付け終了後、最後の来所者が帰るのは午後7時を過ぎるという。山村信子・業務次長は「30年以上ハローワークに勤めていますが、かつて経験したことのないほどの来所者数です」と話す。
相談担当の男性職員(36)は「求職者の相談にじっくり乗ってあげたいが、待っている人のための時間も気にしなければならない」と複雑な心境だ。「やむをえず、相談を終えることもある。時間をかければ、もっといいアドバイスができるかもしれないと思うと、ジレンマを感じます」
東京・豊島区のハローワーク池袋でも13日は、午前10時頃には就職相談窓口が50人待ちの状態に。先週6日は、昨年の倍近い約3900人が訪れたといい、4月は連日、例年の1・6倍の混雑という。待ち時間を少しでも短くしようと、職員は昼の休憩時間を自主的に切り上げたり、書類整理や求職者の職務経歴書の添削などの事務作業を、その日の受け付け業務終了後に回したりして対応。昼食をとることができたのが午後3時という職員もいる。
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