西日本新聞

熊本いのちの電話 自殺相談が急増 「景気の悪化など要因」 ボランティア養成 受講生募集も

2009年4月12日 01:10 カテゴリー:九州・山口 > 熊本
24時間態勢で相談を受け付けている「熊本いのちの電話」の相談員

 「もう、死にたい」‐24時間態勢でさまざまな悩み相談を受け付ける「熊本いのちの電話」(熊本市)に自殺願望を訴える相談が急増している。2008年の相談件数は901件で、前年の1.5倍に達した。国内の自殺者数は11年連続で年間3万人台を超えているが、受話器の切実な声に耳を傾けるボランティアの相談員たちは「“予備軍”がさらに増えている」と危機感を募らせている。

 「いのちの電話」事務局によると、2008年に受け付けた「自殺願望」の相談のうち、最も多いのは病気や体調の不安などに関する「医療」で406件。自身の生き方や仕事の悩みなどを訴える「人生」(307件)を合わせると、全体の8割を占める。

 相談者の年齢別は30代が248人と一番多く、40代(219人)、20代(172人)、50代(167人)。中学生や高校生からの相談が減る半面、働き盛りの世代が急増しているのが近年の特徴だ。男女別では女性が全体の52.7%を占める。

 「ストレス社会の中で、家庭や職場でトラブルを抱えている人も多く、景気の悪化など社会的な要因が相談増加の理由では」と池田幸蔵事務局長(59)。

 1985年に開局した「いのちの電話」には現在、相談員約120人が登録。24時間態勢で2人が電話機の前に待機し、08年は計1万5406件の相談を受け付けた。

 相談内容は外部に漏らさないのが前提だ。受話器の声が自殺をほのめかしても警察などに通報せず、耳を傾け、相手の心が落ち着くのを待つ。1件の相談時間は平均で20分程度だが、自殺願望の電話は長引く傾向があり、中には2時間を超えるケースもあるという。

 相談電話=096(353)4343。

   ×   ×

 「熊本いのちの電話」事務局は相談者養成のための公開講座の受講生を募集している。

 講座は5‐10月の全21回、熊本市新町1丁目の熊本YMCA中央センターで開かれ、被害者支援やカウンセリングの基礎を学ぶ内容。相談者は講座を受講した後、1年半の実習などを経て認定される。

 受講料2万5000円。事務局=096(354)4343。

=2009/04/12付 西日本新聞朝刊=

おすすめ情報【PR】
アクセスランキング
  1. 久留米「手りゅう弾」 前日、関係先に...
  2. 北野誠さんが芸能活動休止 ラジオ番組...
  3. 柳川市長に金子氏写真付記事
  4. 九州誠道会本部を家宅捜索 「手投げ弾...
  5. 道仁会ビル、執行官保管に 住民「最後...
おすすめ情報【PR】
天気・交通情報
九州・山口の天気 福岡の天気 佐賀の天気 大分の天気 長崎の天気 熊本の天気 宮崎の天気 鹿児島の天気 九州・山口の天気 交通情報
九州のりものinfo.com
イチオシ! 特集記事
ツキノワグマ「ツッキー」 【動物】
大人気ツキノワグマ「ツッキー」
ハンモックに揺られ、うたた寝
【報道】 定額給付金 あなたの街はいつから?
【催事】 つつじマーチでB級グルメも堪能!!
【温泉】 取材こぼれ話 黒川温泉の魅力に迫る 
【漫画】 韓国の小学生 定番の通学かばんとは?
注目コンテンツ
47CLUB探検隊

新規会員登録とすると、「日本のうまいもの」が抽選であたります♪

47CLUB(ヨンナナクラブ)はおかげ様で2周年をむかえることが出来ました。 これからもドンドン地域の逸品を盛り上げて...

>> 記事を読む

>> 47CLUB探検隊へ