西日本新聞

門出や成長撮り続けて半世紀 写真館経営、久留米市の藤本さん 耳納北麓テーマ

2009年4月9日 01:53 カテゴリー:九州・山口 > 福岡
作品を手にする藤本住敏さん(中央)と長女の高橋真理さん。右は1989年まで使っていた大型写真機

 久留米市草野町で半世紀以上「ふじもと写真館」を営んできた藤本住敏さん(79)が「耳納北麓の四季」をテーマに撮った写真約100点を、近くの山辺道文化館で展示している。藤本さんにとって写真展を開くのは24年ぶり。草野の古い町並みや歴史的建造物、サクラ並木の下を駆ける子どもなど、ふるさとを温かく見つめる藤本さんのまなざしが投影された作品ばかりだ。

 藤本さんは数年前から体調を崩し、趣味の写真から遠のいていたが、粘土でミニチュアを作る長女の高橋真理さん(49)=うきは市=が「元気を取り戻してほしい」と誘い、初の親子展を開いた。

 写真作品は2000年以降撮影したものが中心だ。藤本さんは「どこを見ても絵になるふるさとを写真に残し、地域の人に再発見してほしい」と願いを託したという。

 作品のそばには、藤本さんが写真館を開いた1958年から89年まで使った、アンソニーカメラと呼ばれるアメリカから輸入したスタジオ用の箱型カメラがある。

 藤本さんは学徒出陣で旧陸軍大刀洗飛行場(筑前町)に配属され、偵察機が撮影した写真を現像したのが写真との出会い。旧草野町役場を退職して写真館を開き、この写真機で地域の人々の門出や成長を撮り続けた。親子3代で写真館を利用した人もいるという。

 「カメラにも地域の人々の思い出が詰まっている」と、98年の文化館開館に合わせ寄贈した。

 藤本さんの写真を背景に、弁当箱や台所道具など人々の暮らしをミニチュアで再現した高橋さんの作品が並ぶ。入場は無料。26日まで、月曜休館。山辺道文化館=0942(47)3015。

■久留米市草野地区

 平安時代末から安土桃山時代にかけ、豪族草野氏の城下町として、江戸時代は豊後街道の宿場町として栄えた。神社仏閣も多い。同市の「伝統的町並み保存地区」に指定されている。2007年1月には、羽田美智子さん主演の映画「卒業写真」のロケ地になった。山辺道文化館は1914年建築。元は洋風造りの病院だった。

=2009/04/09付 西日本新聞朝刊=

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