2008-09-07
■[雑学]鉄隕石で作られた剣あれこれ
今日の一枚
庭にひょっこり遊びに来た野良さん。
「ムダヅモ無き改革」難民中の多摩坂です。早く読みたいのに近場の本屋どこも売ってねえー!!
さて。現在確認されている世界最古の鉄剣の、原料の鉄が鉄隕石から採られたものである事が判明したようで。
産経ニュース:4300年前…最古の鉄剣の謎解明 原料は隕石だった!
トルコで発掘された約4300年前の世界最古の鉄剣は、鉄隕石(いんせき)を原料に作られたとみられることが、東京理科大と中近東文化センターなどの共同研究で分かった。人類が製鉄技術を確立する数百年前のもので、これまで製法は謎だった。
製鉄技術が無い時代、鉄は天から降ってきた隕石からのみ採れる、青銅よりはるかに硬くて耐久力に優れる唯一の金属でした。さぞ珍重されたことでしょう。鉄の旧字体は金の王哉と書いて『鐵』ですが、まさに神が下した金属の王だったわけです。
鉄隕石を用いた武器・祭器はツタンカーメンの王墓やシリアの神殿、殷の遺跡など世界各地で発掘されています。その中のひとつにロシア帝国のアレクサンドル1世が所蔵していた剣があるのですが、駐露特命全権公使時代の榎本武揚(あまり知られていないがかなりの鉱物マニア)がそれを見て何をとち狂ったか「自分も作ってみたい」と言いだし、帰国後力技で本当に作っちゃった日本刀(『流星刀』と呼ばれる)が二振り現存していたりします。詳しくはこちら。
流星刀といえば最近発売されたみなもと太郎「風雲児たち 幕末編」13巻の中で、清河八郎が何の脈絡もなく突然抜いて見せびらかしていましたが、史実かどうかはわかりません。マンガ繋がりだと「ルパン三世」(マンガ原作の方)の五右エ門の刀は『流星』という名前で隕鉄刀。星野之宣の宗像教授シリーズにも鉄隕石と製鉄技術の話が何度か出てきます。
最後に。現代の刀匠は結構隕鉄刀にチャレンジしているらしいのですが、一番有名なのは法華三郎信次氏の作刀かと思われます。興味深い話が満載のサイトがありますのでぜひご覧ください。