文部科学省の「医学教育カリキュラム検討会」(座長、荒川正昭・新潟大名誉教授)は13日、医師免許取得前の医学生も実際の診療に参加する機会を増やすべきだとする提言をまとめた。文科省は提言を受け、医学部の基本的な教育内容を定めた「モデル・コア・カリキュラム」を3年ぶりに改定し、10年度入学生からの反映を各大学に求める。
文科省は01年、医学部教育を記憶重視から患者中心に改めようとモデル・コア・カリキュラムを策定した。しかし患者の協力を得にくいことや国家試験対策が優先されるなどの事情で、臨床経験不足が指摘されている。
提言は、10年度から大幅に見直される卒業後の臨床研修と一貫性を持った学部教育が必要だと指摘。▽臨床実習の最低単位数を大学設置基準に明記する▽地域医療の現場に置いて目的意識を高める▽医師国家試験で臨床能力を適切に評価する--ことなどを求めた。【清水健二】
毎日新聞 2009年4月13日 22時11分