(cache) ハイパーPICK UP|HYPER HOBBY

ハイパーPICK UP

2009.04.13
Berryz工房 VS Berryz工房 楠本柊生元帥×仙石みなみ スペシャル対談 第2回

楠本柊生元帥×仙石みなみ
2008年11月18日~23日、東京芸術劇場中ホールで行われた劇団ゲキハロ第5回公演『Berryz工房 VS Berryz工房』DVD発売を記念して、脚本・演出・出演を務めた楠本柊生元帥とT-1059号=せんごくちゃん役を演じた仙石みなみちゃんによるスペシャル対談。いよいよ第2回にして最終回!

Berryz工房 VS Berryz工房
DVD 劇団ゲキハロ第5回公演
Berryz工房 VS Berryz工房/3990円でピッコロタウンから発売中。

『BE』の歌詞からストーリーができた

ハイパーホビー(以下HH) 曲の話も出ましたけれども、お芝居の中で歌う曲は、元帥さんが全部決めたんですか?
元帥 はい。Berryz工房の曲をとりあえずすべて聴いて、その中から候補曲を出していって、物語の内容と合わせて絞り込んでいって決めました。
HH その曲を、Berryz工房といっしょに、仙石さんが完ぺきに踊っているのに感動しました。
元帥 そう! あれはかなりたいへんだったでしょう?
仙石 最初に「これとこれとこれとやるから」って振りの映像と曲を渡されて「練習は演技でいっぱいだから、家で覚えてきて!」って言われて……何曲かは踊ったことがある曲だったんですけれども、初めての曲もあって……とりあえず一気に頭にたたき込んで、1回だけあったダンスレッスンで先生とマンツーマンで仕上げました。でもBerryz工房さんといっしょになると、フォーメーションがあるじゃないですか? それで「どうしようどうしよう!」と思ってたんですけど、メンバーが「こっちだよ」とか「こうやるんだよ」とか、みんなに優しく教えてもらいました。
HH Berryz工房の中で違和感なく踊ってましたよ!
仙石 ありがとうございます! 1人だけヘタクソだったりしたらダメなんで、ガンバって練習しました!
元帥 僕が知らないうちに踊れるようになってたんで、ビックリしましたね。選曲した中の『ギャグ100回分愛してください』は、「その曲に目を付けるとは、なかなかのもんだ!」とプロデューサーからも褒められました(笑)。
HH あの曲は最近やってなかった曲なんで、ファンもうれしかったと思います。
元帥 曲から生まれてきたものもありますね。『ピリリといこう』から「ピリリ」っていう1059号のセリフも決まりました。それに今回、いちばん重要だったのは『BE』ですね。『BE』という曲があったから、このストーリーが出来ました。『BE』のシーンは、僕の中ではエンディングロールなんですよ。今回の物語の後日談として、『BE』の歌詞が心に響く内容にしたい、というのがあって物語を作り上げていったんです。

元帥が語るBerryz工房

HH 元帥は、いっしょに舞台を作り上げたBerryz工房のメンバーにはどんな感想を持っていますか?
元帥 なるべくして、Berryz工房になっている、と思いましたね。特にお芝居に関して言うと、演技って“うまい”“下手”じゃないんですよ。演技は、技術だけの問題じゃない。Berryz工房が演じて、最もおもしろいものを作ろう、というのがあるじゃないですか。だから僕はいつも、演劇でいう“あて書き”で脚本を書くんですけど、今回も7人のキャラクターをある程度つかんで、この状況で、彼女ならこう言うであろうというイメージでセリフを書いたんです。僕のそういう意図を、彼女たちはうまくくみ取るな、と思いましたね。あとは、リアクションがものすごくうまい。シーンを盛り上げるために、脚本に書いてなくても笑うとか、セリフに対してリアクションを取るとか、ベテラン俳優のようにできるんですよ。これはそこらへんの俳優じゃ、かなわないんじゃないかなぁ? ステージでの彼女たちが、ファンの皆さんに評価されているというのも納得しましたね。それと、本人役を演じるって、一見簡単だと思われるかもしれないですけど、かなり難しいんですよ! まったく自分と違うキャラクターを演じるほうが、自分でいろいろ考えてできますし、演出家の演出どおりにやればいいから楽なんですよ。本人を演じているんですけれども、ほんとうの日常の自分とは違うわけですよ。芝居上のストーリー、セリフがある段階で、もう本人とは違うんです。いつもの自分にものすごく似ている、芝居上のキャラクターを演じる、という作業なんで、ものすごいたいへんなんですよ。彼女たちもかなり悩んでいましたね。「こういう状況でこういう内容のセリフを返してほしいんだけど、キミならどう返す?」と話し合って、何度も何度も、細かい部分の調整作業をしていきました。
HH そういう作り方をしていったんですね。
元帥 ほんとうにたいへんだったと思います。でも彼女たちは、ほんとうに頑張り屋さんなんですよね。短いけいこ期間で、よくここまで作り上げてくれたと思います。彼女たちの演技が、ほんとうの彼女たちの姿に見えていたなら、それは彼女たちの努力のたまものだと思います。
HH 仙石さんは、Berryz工房と共演してみてどうでしたか?
仙石 これまでBerryz工房さんとは、ハロー!プロジェクトのコンサートで共演するくらいでした。特に、いっしょの曲を歌ったりはしないので、緊張していたんですよ。そうしたら、みんなウェルカムな感じで、すごく優しく迎えてくれたんです! 「せんごくちゃん、せんごくちゃん」ってみんな呼んでくれて、ほんとうにBerryz工房さんに入っちゃったみたいな勢いで……すごく楽しめました! 特に嗣永さんとは、いっしょのシーンも多くて、楽屋でも「お姉ちゃん!」って呼んだりとかしていました。
元帥 同い年だけどね!
仙石 (笑)。同い年なんですけど、嗣永さんがすごく甘えてきてくれたりすることもあって、でも舞台ではちゃんとキリッとお姉ちゃんっぽくなるんで、自然に「お姉ちゃん」って言えましたね。指輪をはめてくれるシーンでは「どうやったらお客さんによく見えるかな?」とか2人で話し合ったりしましたね。最後のシーンで、嗣永さんに支えられてるシーンがあるんですけれど、練習のときから「もっと寄りかかってもいいよ!」とか言ってくれました。嗣永さんとはすっごく、仲よくなりました!
元帥 最後の寄りかかってるシーンは、仙石の体勢がかなりキツかったんだよね。
仙石 でも、キツかったんですけど、お芝居に感情が入っちゃって、ほんとうに泣いちゃった回もあって、ロボットになりきって(笑)、体勢が辛いのとか全然気にならなかったんですよ。
元帥 そのキツそうな体勢が、DVDの見どころのひとつです。
仙石 (笑)。
HH 体勢じゃなくて(笑)、ほんとうに見どころのシーンですよ!

『ハイパーホビー』読者は泣ける!?

元帥 あのストーリーって、女性よりも男性のほうが泣けるストーリーだと思うんですよ。特に『ハイパーホビー』の読者なら、必ず泣ける、と断言します。お客さんも男性が多いということなので、男の子にとってグッとくる話にしようと思ったんです。男の子って、自分で作って、それが電気仕掛けで動く玩具って、一度は作ったことがあると思うんですよ。逆に女の子の玩具は、もともと出来ていて、それを着せ替えたりお世話する物が多い。男の子は、すっごく気に入っていた電動で動く玩具が、あるとき壊れて、電池を入れ替えても動かなくなった体験って絶対あると思います。そのときの悲しみって、今も覚えているんですよ。ロボットがだんだん動かなくなっていく、だんだん壊れていく……男性の心に響くストーリーにしたつもりです。だから、『ハイパーホビー』の読者に見てほしいですね!
HH あれは……劇場で泣いちゃいました! あのシーンでは劇場もシーンとして、観客全員食い入るように見てましたね。
仙石 わ~!
元帥 そして、「1059号、お前は何かを成し遂げるために生まれてきたんだ」というセリフがありますけど、それは観客の皆さんにも僕が伝えたいことです。ロボットだけじゃなくて、人間も絶対に何かを成し遂げるために生まれてくるんですよ。それをこれから見つけていきましょう、というメッセージです。それがBerryz工房を応援することなら、それはすばらしいことだと思います!

そして、この後は!?

HH 元帥は、またハロプロメンバーのお芝居を、やってみたいですか?
元帥 よろしければ!(笑)。お芝居っていうものの幅をもっともっと広げて、やってみたいですね。まあ今回もかなりやりましたけど、お芝居というくくりじゃなくて、エンターテイメントとして、ディズニーランドのようなアトラクション的なものが出来るんじゃないかと思いますね!! “みんなが楽しめるおもしろいこと”という条件だけで作っていくなら、今後もっともっとおもしろいものが出来上がる可能性が、彼女たちにはあると思います。
HH 仙石さんは、今後またお芝居をやってみたいですか?
仙石 めちゃやりたいです! 初めてがロボット役で、予想外だったんで、ビックリしたんですけど、逆に最初にやったのがこれでよかったなと思います。いちばん難しいところから始まったんじゃないかなと。だから、今度は普通の女の子の役をやってみたいですね。ふだんの私はおっとりしてて、何をするのも遅いって言われるんですよ! だから、サバサバしてたり、怒ったり、もっと感情を表に出すような女の子をやってみたいです。
元帥 それは僕も見てみたいですね! そういう役をやったら、今回とはまた全然違うだろうな、と思います。『音楽ガッタス』で踊ってるところとか、めちゃくちゃオトナっぽくて、カッコよかったりしますからね! オトナっぽい雰囲気の役とか、見てみたいなぁ。
仙石 はぁ~、写真だとオトナっぽく見えるってよく言われます。実際会うと、雰囲気が子供っぽいねって。
元帥 いや、そのギャップは武器ですよ。悪女とかやってみるとおもしろいと思いますよ。
仙石 うわぁ~、すごい! 今年も、また舞台はやってみたいと思いますね。『Berryz工房 VS Berryz工房』で、舞台で演技するのにハマっちゃったというか……舞台で、新しい自分の可能性も見つけられそうです!

HH 今日はありがとうございました!!

    
せんごくちゃん写真集 第2回
仙石みなみ
仙石みなみ
仙石みなみ
さてさて、せんごくちゃんのいろいろなポーズをまたまたお届け! 舞台を見た人はわかりますよね。『ピリリといこう』のこのポーズのあとに……おっとっと! 

楠本柊生元帥
楠本柊生元帥
プロフィール
演出家、脚本家、俳優。『ライヒス・リッターシリーズ』、『アラスタシリーズ』通常の演劇では見られない新たな舞台手法を目指している。またNHK教育テレビ『天才てれびくんMAX』の『日付変更船プッカリーノ』の脚本・出演を務める。最新情報はオフィシャルサイトを。
仙石みなみ
仙石みなみ
プロフィール
1991年4月30日、宮城県生まれ。音楽ガッタスの一員であり、ハロプロ エッグのメンバーでもある。4月4日、5日に横浜BLITZで開催される『2009ハロー!プロジェクト新人公演4月~横浜HOP!~』に出演決定!

 

ハイパーPICK UPバックナンバー一覧へ