日本のコンテンツの文化性
2009年4月13日
IPTVセミナー最終回「テレビの未来」から、エッセンスを抜き出して紹介する(毎日更新予定)。
コンテンツを文化としてみるとき、テレビの影響力はとても大きい。日本で制作したものでも、主に若者にフォーカスした1ショットのコンテンツは視聴率もとれ、話題にもなる。一方で、主にドラマは、いま人気の海外テレビドラマの方が見ごたえがある。
結局、おもしろいものを見るなら海外ドラマ、情報として話題にするなら日本のコンテンツという使い分けがされているのかもしれない。後者だけが今後日本発のコンテンツとして残っていくと、ちょっと問題があるかもしれない。(榊原氏)
例えばフジテレビのHEROは、連続ドラマでスタートして、スペシャル、映画などにマルチユースで展開している。日本の番組フォーマットやアーティストが、YouTubeを通して海外で話題になることもある。日本発のコンテンツも、力はあると思う。(鈴木氏)
コンテンツの話をすると、文化論とビジネスがいろいろ輻輳(ふくそう)する。いい番組が数字を取るわけではないし、数字がとれているからいい番組だというわけでもない。HEROは強力なコンテンツだったが、はたしてそれがテレビにとっていいことかどうかは分からない。テレビ局が強大になりすぎるのはよくない。一つの価値観が広がるのではなく、対立軸がある方が、考えるべきことが明確になる。(福原氏)
IPTVセミナー最終回「テレビの未来」
2009年3月19日(木)13:00〜19:45
第1部「テレビ放送と映像コンテンツの今」
2009年3月19日(木)13:00〜19:45
第1部「テレビ放送と映像コンテンツの今」
- 鈴木祐司(NHK放送文化研究所主任研究員兼解説委員)
- 福原伸治(フジテレビ情報制作局プロデューサー)
- 榊原廣(博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所)
- 司会:中村伊知哉(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)
IPTVビジネスはどのようにデザインされるか
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