13日午後4時半ごろ大津市葛川坊村(かつらがわぼうむら)町の比良山系の三ノ滝(幅約2メートル、落差約20メートル)で、滝伝いにがけを下っていたプロボクサーの小松則幸さん(29)=グリーンツダボクシングクラブ所属=の姿が見えなくなったと、同行していたトレーナーらが滋賀県警大津北署に連絡した。同日午後6時25分ごろ、署員や消防隊員が滝つぼの底から小松さんを引き揚げたが心肺停止状態。小松さんは5月に亀田大毅選手との試合を控え、滝で精神修行中だった。
同署によると、小松さんは数日前、ボクシングの合宿のために京都市の寺に宿泊。寺から「精神修行に適した滝がある」と聞き、トレーナー兼マネジャーや知人ら4人と13日に三ノ滝に向かった。滝付近は足場が急で、小松さんは1人で滝つぼ付近にたどり着いたが、その後姿が見えなくなったという。
小松さんは大阪府寝屋川市出身。東洋太平洋フライ級王座2度獲得(5度防衛)の実績を持つ。05年には世界ボクシング評議会(WBC)フライ級のタイトル戦に挑み同級王者、ポンサクレック・クラティンデーンジム(タイ)にTKO負けした。前田和久・チーフトレーナーは「精神修行としての合宿は今回が初めて。まだ何も連絡がない。どんな状況か分からず心配だ」と話した。【稲生陽、後藤直義】
毎日新聞 2009年4月13日 22時07分