南極海で約5カ月の調査捕鯨を終えた目視採集船3隻が13日朝、山口県下関市に入港した。このうち「第3勇新丸」(742トン)は2月に反捕鯨団体「シー・シェパード」の妨害行為で船に衝突されており、海上保安庁の職員らが乗船して損傷状況などを調べた。同船の甲板の手すりは十数メートルにわたってひしゃげ、船体にはこすったような傷跡があった。
第3勇新丸は調査母船「日新丸」(8044トン)などと計6隻で調査船団を形成し、昨年11月半ばからクジラの捕獲調査をしてきた。調査捕鯨を巡っては近年、反捕鯨団体による妨害行為がエスカレートしており、第3勇新丸も日本時間の2月6日夕、クジラを日新丸に引き渡そうとした際に左舷後方から衝突され、液体入り瓶を投げられた。乗員20人にけがはなかった。
男性船員は「妨害は数回あった。衝突時は、航行中に突然ぶつかられて船が激しく揺れた。塗料か何かが入った瓶も投げられた。気持ちが高ぶっていて怖いとは思わなかったが、帰ってこられて今は一安心しています」と話した。
14日朝には日新丸も下関港に入港する。【取違剛】
毎日新聞 2009年4月13日 15時25分(最終更新 4月13日 15時38分)