両親が入国管理局から国外退去を命じられていたフィリピン国籍の少女、カルデロンのり子さん。一人日本に残る事になったのり子さんは、フィリピンへ向けて出国する両親を成田空港で見送りました。
のり子さん一家が10年以上も住み慣れた部屋。今はもう、何も残されていません。両親は13日夜、フィリピンへ。のり子さんも、日本人と結婚し滞在資格のある「母親の妹」のもとへ引っ越し、暮らすことになります。
別れの時が迫る中、母のサラさんは、のり子さんをそっと抱きしめました。自宅の外には、父親のアランさんの同僚が見送りにきていました。
国外退去処分となった両親は、原則5年間は再入国は認められません。入国管理局は、1年以内の再入国など柔軟に対応する姿勢を見せていますが、あくまで短期間のもので、具体的なメドもたっていません。
一家を支援してきた弁護士は、13歳の子どもが親と離ればなれになったことは残念で、子どもの権利条約に違反している疑いも強いと批判します。
「最後まで家族3人での在留を求めたいと言っていたわけで、まさに苦渋の決断。のり子さんの収容を避けるための決断」(一家を支援する 渡辺彰悟弁護士)
「つらいです。できることなら家族3人で日本に住みたい」(カルデロンのり子さん)
午後5時過ぎ、のり子さんは成田空港のゲートに入る両親を見送りました。両親は、午後6時20分発の飛行機でフィリピン・マニラに向かいました。(13日18:50)