(CNN) 米国で07年に生まれた赤ちゃんのうち、4割近くは母親が未婚女性だったことが、米国立健康統計センター(NCHS)の報告で明らかになった。人種別にみると、黒人では同年に出産した女性の7割以上が未婚だったことが分かった。
NCHSが先月末発表したデータによると、07年の出産件数430万件のうち、未婚の女性による出産は170万件。02年に比べて25%以上も増加した。
また、同時期に発表された統計によれば、未婚の母の割合は人種間の開きが大きく、白人では28%にとどまったのに対し、中南米系は51%、黒人は72%に上っている。
米国では、女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(33)が未婚のまま俳優ブラッド・ピットさんとの間で子どもたちを育て、08年大統領選で共和党副大統領候補だったペイリン・アラスカ州知事の長女で高校生のブリストルさん(18)が出産するなど、「未婚の母」となった有名人の話題が盛んに伝えられる。また、14年間減り続けていた十代の妊娠が最近、2年連続で増加したとの統計も発表されたばかり。
十代の妊娠防止などを訴える団体NCPTUPのトップ、サラ・ブラウン氏は、「未婚での出産に対する悪いイメージが薄れてきたとの認識はあったが、出産件数のデータをみると、すでにそういうイメージは払しょくされたように思われる」と話す。同氏は一方で、親が未婚のままで生まれた子どもは貧困に陥ったり、高校を中退したりする率が高くなると指摘。「旅行へ行く前にじっくり計画を立てるのと同じように、妊娠についてもいつ、だれとの間で、どのような状況が整った場合に、といった条件を、じっくりと計画的に考えておくべきだ」と強調している。