出場国に大きな温度差…問われるアジアNo.1の意義
WBCに対するメジャーと酷似
アジア最強野球チームの座をかけて13日から東京ドームで開催されるアジアシリーズ。日韓台中4国の代表チームが顔を合わせるが、例年のごとく各国の取り組みと熱意には大きな温度差がある。事実上の優勝争いは、西武とSKワイバーンズ(韓国)の対決。改めてシリーズの存在意義と、真のアジア野球最強の意味が問われる戦いになりそうだ。
2005年から始まった同シリーズは、昨年までロッテ、日本ハム、中日と日本が3連覇している。昨年まで選抜チームが出場していた中国からは、今年初めて単独チームとして天津ライオンズが参加。台湾からは統一ライオンズが来日し、3チームのライオンズがアジアNo.1の座を争う。
もともと同シリーズは、野球の国際化を標榜してスタート。将来的には米メジャーのワールドシリーズ覇者との“真のワールドシリーズ”を開催するための大会ともされているが、現状ではそこまでには至っていない。参加チームのシリーズへの取り組みにはばらつきがあり、当初の理念を達成するにはまだ時間が必要だ。
特に格上の日本シリーズ優勝チームが、例年戦力を整え切れず、今年も西武は巨人との激戦直後で満身創痍。左脇腹を痛めた中島裕之内野手(26)、右肩を脱臼した細川亨捕手(28)に加え、ベテラン投手の西口文也(36)、石井一久(35)も休養。ボカチカ外野手(32)らはすでに帰国した。
前日11日の監督会見で西武・渡辺久信監督(43)は「本来ならばベストのメンバーで臨みたいのはやまやま。しかし日本シリーズを戦ったばかりで、(欠場選手は)これ以上は無理という判断になった。今後の野球人生にかかわってはいけない。今季中も五輪や故障者で選手が抜けた中で戦ってきた。残っているメンバーは力があり普通通りやっていきたい」と説明。しかし、韓国メディアからは「主力選手がいないが、出場させることができる選手もいるのではないか」との質問もあった。
一方、SKの金星根監督(65)は昨年同シリーズで中日に敗れて雪辱を期して2年連続の来日。韓国屈指の鬼監督として知られる。
「韓国シリーズが終わって調子の悪い選手もいたが、2日後から練習を再開した選手もいる。練習時間は通常より2時間短縮したが、打撃練習を中心に1日6時間は続けてきた。腰を痛めているクローザーのチョン・デヒョンにも出てもらう。優勝を目指している」と燃えている。
近年、五輪など国際試合の結果からみると、日韓の実力差は目立たなくなっている上、SKの強力投手陣は過去の韓国チームの中では最強レベル。主力を欠いた西武の苦戦も予想される。
「手を抜くことはあり得ない。抜いて勝てる相手でもない。エース金広鉉投手は五輪で日本代表ですら打てなかった相手でもある」と渡辺監督。しかし、だからといって欠場予定の主力選手を呼び戻すはずもなく、同シリーズの意義と、アジアNo.1の座の重みをよく表している。
アジアシリーズの存在は、来年3月に迫っているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の存在に酷似している。前回06年、日本代表の試合は、国内でテレビ視聴率50%という驚異的な関心を呼んだが、肝心の主催の米国(大リーグ機構)内では、オープン戦程度の報道に過ぎなかった。優勝して世界一を誇る日本代表の声は必ずしも米大陸には伝わっていない。
シーズン直前の調整を兼ねて一種の祭典に出場した気分のスターメジャーリーガーたちも、WBCに負けたからといって大して悔しがる素振りもなく、この優勝だけで日本野球のレベルが世界一であるとも認識していない。
真の世界一、アジアNo.1とは一体何なのか。歴史の浅い両大会から推し量るのは今の時点ではあまりにも難しい。
ZAKZAK 2008/11/12
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