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福岡、内々定取り消し「違法」 会社に解決金支払い命令
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採用の内々定を内定式の直前に取り消したのは違法だとして、20代の男性が福岡市内の不動産会社に105万円の支払いを求めた労働審判で、福岡地裁は13日、同社に解決金75万円の支払いを命じた。
男性の代理人を務めた光永享央弁護士によると、審判の中で同地裁は取り消しの違法性を認定。会社側は「未曾有の不況でやむを得なかった」と主張していたが、地裁は「正当化される理由はない」と退けたという。
光永弁護士は「内々定取り消しで金銭支払いを命じる司法判断は初めてではないか」とし「入社の期待を持たせておきながら直前に取り消した今回のようなケースでは、責任が生じると明快に示した。画期的判断だ」と評価している。
申立書によると、大学4年生だった男性は昨年7月、不動産会社から内々定通知を受けたが、10月2日の内定式を控えた9月30日、「経営環境の悪化」などを理由に内々定を取り消された。申し立ての後に、県外の企業に就職が決まったという。
会社側は「現段階ではコメントできない」としている。
(共同通信社)
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