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【すくむ社会第1部】結論は考えて導くのではなく検索してたどり着くもの〜『考える』の空洞化(1) (4/5ページ)
このニュースのトピックス:旅
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グーグルショックは短時間で収まり、影響は限定的だった。だが、問題の本質をもっと深いところに見る人がいる。
著書「検索バカ」で、考える前にすぐネットで検索して答えを探りたがる人々が増えていると指摘するのは芥川賞作家の藤原智美さん(53)だ。
「彼らの意識では、結論とは『考えて作り上げるもの』ではなく、『ネット上のどこかにすでに存在しているもの』であって、いかにそれを早く導き出すかが重要と認識している。自分のなかに知性は必要ではなく、取り出す技術があればいいという考え方だ」
検索に頼りすぎるとどうなるのか。藤原さんは思考の衰退を招くと危惧する。
「かつての自分探しはインドや東南アジアへ、バックパッカーとして放浪の旅に出るのが定番だった。しかし、検索世代はそれだけの行動力もない。生きがいすら情報の海を検索して『探し当てる』ものになる」
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不況の真っただ中、雇用や消費など生活のあらゆる場面で、人々がすくんでいる。私たちは厳しい社会をどう生き抜いたらいいのか。まずは社会のグローバル化、スピード化で大きな変化にさらされている「考える」という人々の根本的な営みから見つめてみる。
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