伝統行事や産業、構造物、環境保全への取り組み…。暮らしに根付いた各地の「島自慢」は、なかなか多彩だ。
国土交通省は、次世代に引き継ぎたい島の景観を公募し、「島の宝100景」を決めた。住民に自分たちの島の良さを再認識してもらうとともに、多くの人に島を訪れてもらおうとの狙い。岡山県五件、広島県一件、香川県は六件が選ばれた。
笠岡市・真鍋島の「走り神輿(みこし)」は、若者たちの担ぐ三体の神輿が島の路地を駆け抜ける勇壮な伝統行事だ。担ぎ手不足対策として、二〇〇五年に日程を九月から五月の連休中に変更、帰省者と島の住民、観光客の交流の場となっている。
かつての精錬所跡地に誕生した美術館を軸にアートや環境などで新たな活性化を図る岡山市・犬島での試みも入った。香川県・女木島の「オオテ」は家を強風や潮から守る石垣。独特の景観を示すとともに、自然に対する先人の知恵をしのばせる。
島は過疎化など厳しい波にさらされる中で、伝統を受け継ぎ、あるいは新たな発想で生かしながら地域おこしに懸命だ。島の魅力は自然美だけではない。注ぐ人々の愛情で輝きは増す。
今回選ばれた島以外にも人の営みを映した魅力的な景観は多かろう。島に対する内外の関心と交流によって「宝」を見つけ、磨いていきたい。