やるときにはやる国民性
|
|
アルカラ・デ・エナーレスのセルバンテス祭。中世のかっこうで屋台を出します |
|
ノリを大切にしているということは、それに長けているということでもあります。日本人がこつこつ型の農耕民族とすれば、スペイン人は瞬発力の狩猟民族だと思います。従い、その瞬発力が集団で発揮されたときのパワーには目をみはるものがあります。例えば、今年の3月11日にマドリッドで電車爆発テロ事件がありました。この路線は私も、語学研修中に住んでいたアルカラ・デ・エナーレスからマドリッドに出掛ける際に時々利用していた路線であり、この事件には衝撃を受けました。しかし、さらに驚いたのはその数日後のテロ活動に対するスペイン市民のデモ行進でした。デモ行進はスペイン各地で行われ、スペイン全土で1,160万人の参加がありました。スペインの人口は約4,270万人ですので、4人に1人強が参加したことになります。
限られた時間の中であれだけの人数が一つのイベントに集結し、心を一つにすることができる。普段のスペイン人とは大違いですが、やるときにはやれる人々なんだな、とつくづく感じた出来事でした。
5月に25か国からなる拡大EUが発足しスペインのヨーロッパにおける立場は変わりました。これまでの援助してもらう側から援助する側になったのです。そして、スペイン自身もテロ後の選挙で与野党が逆転し、変革の好機を迎えたともいえましょう。そんなスペインに目が離せないなと思う今日このごろです。 |