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日本統治時代の建築物、文化財として保護可能か

植民統治に使われた施設物の文化財指定を禁ずる法案の発議に学界・一部自治体が反発

 「日帝強占期の建築遺産をどのようにみるべきか」

 今年初め、民主党の張世煥(チャン・セファン)議員が文化財保護法の一部改正法案を発議した。日帝に収奪された施設物を文化財として登録できないようにするこの法案をめぐり、議論が起こっている。

 現行の文化財保護法は、開化期から韓国戦争(朝鮮戦争)前後に建てられた近代文化遺産のうち、保存・活用価値が高い遺産を登録文化財に分類し、管理している。

 これに対し張議員が発議した改正法案は、日本による植民統治、侵略戦争、民族文化の抹殺および強制的収奪の手段として利用された動産または不動産は文化財に指定・登録できず、既に登録されたものも抹消するよう規定している。ただし、歴史的・教育的に保存および活用の価値があると認められる場合には、「歴史的保存資料」に指定することとした。

 これについて文化財関連の学界は、「恥辱の歴史もまた、守るべきわれわれの歴史だ」と批判している。韓国建築歴史学会(チャン・スンヨン会長)は3日に声明を出し、「この法案は、おおむね韓国の文化財を保護し民族文化の誇りを守るという名分があるとみられるが、文化財に対する無理解を内包した拙速(せっそく)立案だ」と主張した。

 学会は「文化先進国は恥辱の遺産や人類の過ちを示す遺産など、いわゆる“ネガティブ遺産”を積極的に保存することで、過去を忘れてしまいがちな大衆にとって、生きた教育の場となるようにしている。日帝強占期は克服の対象であって、忘却の対象ではない」と強調した。

 現行の制度では日帝強占期に建てられた建築物を保存・活用できるが、改正法案が通過すると大多数の施設は解体され、保存に深刻な打撃を与えるというわけだ。

 日帝時代の文化遺跡を観光資源化しようという一部地方自治体の反発も大きい。旧朝鮮銀行群山支店や旧長崎第十八銀行群山支店など日帝関連の遺跡が多く残る群山市は、「韓国近代史の哀歓を内に秘めた文化遺産の価値を認めることが誤りだというのか。歴史的教訓を示すという点から、国家的レベルで保存しなければならない」と反論している。これに対し張議員側は、「文化財という名称を使わないようにするというだけで、歴史そのものを否認するものではない」という。

 近代建築遺産をいかに保存・活用すべきかという問題は、かなり前から建築・歴史学界が提起してきたが、日帝強占期の遺産に対する合意がなされず、消耗戦まがいの論争が続いてきた。

 昨年末には、西大門刑務所の復元や東大門運動場の撤去などをめぐり、ソウル市と文化体育観光部が対立した。議論の広まりを受け、文化体育観光部は5月8日に「日帝時代の建築遺産、いかに見るべきか」をテーマとするシンポジウムを開催する予定だ。

 文化体育観光部は、群山地域や京畿道抱川市の廃採石場、全羅南道新安郡の塩田や塩倉庫、忠清南道牙山市の長項線(廃線)の線路や簡易駅舎、大邱市の旧専売公社のたばこ工場など、5地域の近代産業施設を公演用ホールや美術館など、文化スペースとして活用する事業を推進している。

ホ・ユンヒ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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