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- ▼-初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか [WEB多事争論編集委員] (03/28 03:44)
- ├Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか [higeman] (03/28 23:09)
- ├Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか [伊賀 敏] (03/29 00:13)
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- ├Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか [伊賀 敏] (03/31 02:14)
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- ├Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか [YOHEI] (04/01 21:51)
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- └北朝鮮の“ミサイル”初日は発射されず~“正しい戦争”は本当にあるのか [WEB多事争編集委員 吉岡弘行] (04/05 01:36)
- ├Re:北朝鮮の“ミサイル”初日は発射されず~“正しい戦争”は本当にあるのか [伊賀 敏] (04/05 10:11)
- └Re:北朝鮮の“ミサイル”初日は発射されず~“正しい戦争”は本当にあるのか [WEB多事争編集委員 吉岡弘行] (04/05 10:21)
- └集団的自衛権とか憲法改正とか言う前に [ton_paris] (04/07 01:58)
- └なぜ理性は働かなかったのか? [WEB多事争編集委員 吉岡弘行] (04/09 14:53)
- ├Re:なぜ理性は働かなかったのか? [こやぶ] (04/09 15:07)
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[583] 初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- WEB多事争論編集委員
- 投稿日
- 03/28 03:44
北朝鮮がミサイルの発射準備を進めているのを受けて、政府は3月27日に「安全保障会議」を開いて、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を初めて発令することを決めました。
ミサイルが日本の領土や領海に飛来すると判断した場合、イージス艦や東北や首都圏の基地から迎撃するケースが想定されます。
このスレッドをたてたのは、今回の政府の動きについて意見を募ることもありますが、これまでのトピックで“正しい戦争”というキーワードが散見されていることから戦争と平和についてのご意見をある程度集約した方がいいと思ったためです。
編集委員の鎮守さんが紹介した『戦争を平和に変える法』
砂浜であそんでいる子供たちに砂の城をめぐって領土争いが生まれてしまいます。
潜在的紛争地域や抑止力、報復攻撃、侵略、同盟・・・。
ソマリア沖へ海上自衛隊の護衛艦が出航したツリーのなかでYOHEIさんは、「実際に『防衛を担うこと』と『海外に派遣されること』と『戦場で戦うこと』は大きな違いがあると思いますし、そもそも『防衛を担う』と言っても、どのような根拠で担ってきたといえるのかが、どの局の報道を見てもわからないのですが?」と疑問を投げかけています。
これに対して松尾さんは「有事という仮定を基に、自衛隊が『防衛を担っている』と言っているのではないでしょうか」と返信されました。
また、JNNワシントン支局の井上波さんは、寄稿した「“正しい戦争”って?」で「イラクを“正しい戦争”だと言うブッシュと、アフガンが“正しい戦争”であるかのように言うオバマ。実はそんなに変わらないのかもしれない」と冷徹に分析しています。
「“正しい戦争”と双方が思い込んでいることが太刀が悪い」というN.H.さんは、筑紫さんの最後の多事争論の「起こっていることは凄くシンプルだけど、その解決策は一筋縄ではいかない」という言葉を引用し、「自分だけは大丈夫という甘い意識を断つ」必要性を訴えています。
実際問題、どういう場合に戦争をしてもいいと思いますか?またどういったケースなら戦力の行使を控えるべきなのでしょうか?
戦争は絶対悪で、決してしてはならないという方もいらっしゃるでしょう。
皆さんの意見をお寄せください。
[589] Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- higeman
- 投稿日
- 03/28 23:09
大変難しくて、深いテーマですよね。
そろそろ「ヒト」も次のステップに進化する時が来てるのでしょうね。
『戦争』ってある種、テレビゲームのリセットボタン的な部分があって、非常に安直な結論の出し方だと思うんですね。
「戦争に決して正義はありえない」と、僕は思ってるんだけど、それはどうしてかというと「ヒト」ってそんな善と悪に分けれるほど単純じゃないでしょ?
戦争って結局なんの解決策にもならないですよね。
その瞬間的には勝った、負けたで優劣がつくかもしれないが、それは押し付けでしかない。
特に、最近戦争の在り方が変化してきて、昔のように勝ち負けの判断がつかなくなっている。
ある種の指導者の思惑で戦争がいまや成り立たないのではないでしょうか?
それだけ、今の戦争って「大義」(これが一番の曲者なんだけど)があやふやだし形骸化しずらくなってきてますよね。
「ヒト」という動物である以上、ある種本能的に争いを起こす部分は否めないのかもしれないけど、地球に影響を及ぼす争いをするのって、「ヒト」だけなんですよね。地球に害のあることをする動物がこの地球上で大手を振っていていいのでしょうか?「脳」が発達した動物だからこそ生んだ悲劇。これを、回避するのもわれわれ「ヒト」のやらなければいけないことですよね。そのためにはまず、「戦争」をどうするのか。ひとつづつ洗っていかなければいけませんね。
[590] Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- 伊賀 敏
- 投稿日
- 03/29 00:13
イラクは戦争と呼べるものだったかもしれないが、アフガニスタンのそれは、はたして戦争と呼べるものなんだろうか?
では、誰と戦争しているんだろう?
[613] Re[2]:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- 伊賀 敏
- 投稿日
- 04/01 00:48
アフガンにアルカイダがいて、アメリカはアルカイダを叩きたい。
アメリカはパキスタンと一緒に戦っている。
日本人の常識で考えているこの状況が、全く現実では無いんですね。
あの地域は国境なんてものはいい加減で、特に南部はパキスタン政府の力も及ばない。
結局、アメリカはあのあたり一帯のアルカイダやタリバンすべてを相手に戦っている。 パキスタンもタリバンと戦っているのかと思いきや、実は同じ部族であったりして、本気で戦う気はないのですね。(パキスタン人がアルカイダに入隊してるんですよ、政府もこれを阻止しないんですね)
アメリカの戦費はパキスタンで浪費していて、タリバンに流れた金がアルカイダに返済されているそうです。 結局、アメリカは自分の金でアルカイダを養い、アルカイダと戦っている。
この戦いは終わらないですよ、泥沼はロシアのはまった罠と同じですね。
近い将来パキスタンは政変があるでしょう。 混乱に乗じてイスラム原理主義が台頭すればアルカイダやタリバンが入ってくる。 原子爆弾はアルカイダの手に入るんじゃないでしょうか。 怖いですね。
そうなればイスラエルはパキスタンを空爆するでしょうね。 イランはおさまってもパキスタンは危ないですよ。
戦いはエンドレスです。
[603] Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- 伊賀 敏
- 投稿日
- 03/31 02:14
アメリカにとって戦争は麻薬なんでしょうね。 戦争がなければ生きていけないんでしょう。 アメリカで一番貧しい州では親子代々、友人、家族、親戚、ほとんどの人が兵士になるというんですね。 結局、それしかまともな収入を得る仕事が無いのですよ。 自衛隊もそうですね。 地方にあって、地方の人が入隊する。 仕事が無いのですよ、地方に。 不況で世界が貧しくなると兵士の数が増える。 世界恐慌の復興も結局は戦争であったわけです。 世界の紛争地域の貧しい人たちが、アメリカの貧しい人たちに殺されているという現状。
彼らを操る裕福な人たちは、心が貧しい。
[606] Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- 磯永征司 E-MAIL
- 投稿日
- 03/31 22:28
戦争を始めたら、人間はどちらも恐怖(人間の一番弱いもの)の世界へと一変するのであり、人間が変わる。そして、相手を殺さないと自分が殺される世界となる。そして、国レベルで言えば、勝つための最大の努力をすることになる。
つまり、必然的に大量の人が死ぬ。現代戦は「野蛮」になったので、戦闘員も非戦闘員も、子どもも、高齢者も、障害者も関係なく殺し、平然と巻き添え、狙いが外れたとさも「正当」かのように大勘違いをしている発言をする。とんでもないことである。
したがって、戦争(国家としての武力行使・交戦)はしてはならない。
これは、憲法が否定していることですが、それ以前に人類の「モラル」の問題で、やってはならない行為。つまり、殺人、傷害罪、器物損壊罪であり、それが国に許される道徳的根拠などない。
[609] Re[2]:初のミサイル破壊命令〜"正しい戦争"は本当にあるのか
- 投稿者
- H.T
- 投稿日
- 03/31 23:21
まさに、磯永さんのおっしゃる通りだと思います!正当な戦争など絶対にないです!民衆、特に子供や弱い立場にある大勢の人々が巻き込まれて亡くなってもそれが正当化されるなんて、理屈抜きに、もはや人間として間違っていると私も思います!一方の正義による戦争もありえません。戦争は起こしてはいけないものだし、参加もしてはいけないと思います。話し合いや援助をする事によって、戦争がなくなる事を心から願ってます。
[612] Re[3]:初のミサイル破壊命令〜"正しい戦争"は本当にあるのか
- 投稿者
- 伊賀 敏
- 投稿日
- 04/01 00:27
何故、製造物責任を問えないんだろうね?
武器を作った人たちは死刑でしょ、当然。
これができれば武器はなくなるんだけどね、地球上から。
まともなことが、まともに通用する世界であって欲しいですね。
[623] Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- YOHEI
- 投稿日
- 04/01 21:51
今回の北朝鮮の問題は、難しいのと不安が募る一方ですね。
ミサイルが本州に落ちても困るし、それをいいことに、こちらから「危ない国に先制攻撃をしよう」ってなっても困るし。
だからと言って、「北朝鮮が撃ち落としたら、戦争するぞ」と言ってても、危なければ、そうせざるを得ないかもしれないし。
でも、すでに撃ち落とすためのパトリオットミサイルは配備されてるんですよね。
せめて、急に戦争にならないようにはしてほしいですね。
なると、もうどうしようもないので。
無事、事態が過ぎ去ってくれることを祈るのみです。
[624] Re[2]:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- 伊賀 敏
- 投稿日
- 04/01 22:18
今回の迎撃ミサイルは1発5億円だそうです。 外れるかもしれないのにね。
5億円の内訳を教えてもらいたいですよ。
ぼったくりBARですよ、、、、金髪の。
[625] Re[3]:初のミサイル破壊命令〜"正しい戦争"は本当にあるのか
- 投稿者
- H.T
- 投稿日
- 04/02 00:22
本当に..もったいない!「if」の話で追撃して、もし何もない本当に普通の人口衛星だったらと考えると、本当に今回の事は空騒ぎであってほしいです。そんな事にお金を使うなら..
私なら、U2.オアシス.レディオヘッド.ベック.ウィザー.アークティックモンキーズ.ベルセバ.プライマルetc..をよんで世界に音楽で平和を呼びかけるライブを世界配信しちゃいます!その売り上げ金はもちろん貧しい国に寄付です!呼ぶお金が足りないか..
記者、特派員からの多事争論の米田さんの論が大変興味深い論でしたので、今回の事、いろいろ考えさせられました。ぜひ読んでみてください。
[643] Re[4]:初のミサイル破壊命令〜"正しい戦争"は本当にあるのか〜ワイドショーの報道を見て
- 投稿者
- H.T
- 投稿日
- 04/03 14:51
今日はお休みで時間がありましたので、お昼過ぎにテレビのワイドショーを見ていました。番組はどこの局も、北朝鮮のミサイルについての報道をしていました。多くの有識者らしき人達やコメンテーターは、日本がミサイルを追撃する事を前提に議論をしていました。まるでそれが正義であるかのように。
なぜ今回の打ち上げが危険なのか、それは自国の領土で行わないから、など詳しく説明している局もありました。テレビのミサイルの説明をきいているうちに、それもそうだな。国は国民を守る義務があるし..もし被害者が出てしまったら。防衛の為の追撃もありえるのかなぁ、でもなぁ、などと心が揺らいでいる自分の気持ちに気がつきました。
これは本当に恐ろしい事だと思いました!もちろん私は戦争やあらゆる軍事活動に反対です。でも、国の方針や多数派の意見が強い時、筑紫さんのようにき然とした態度でぶれずにいられるかというと、正直自信がありません。今回のミサイル報道をみて、私自身も流されないように、ぶれないようにしっかりしなければいけないと実感しました。何とか外交や話し合いによる解決が出来る事を望みます。
[644] Re[3]:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- αβ
- 投稿日
- 04/04 01:54
同感です。
PAC3は、第一次湾岸戦争の際にイラクのスカッドミサイルを迎撃する為に使われたパトリオット・ミサイルの改良型ということですが、効果はあるのでしょうか?
これだけ露骨に相手を威嚇しては、外交的な問題解決が更に先送りされてしまい、互いの危機感が増大するだけではないかと思います。
[631] Re:初のミサイル破壊命令~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- パール
- 投稿日
- 04/02 03:30
私は平和な戦争などありえないと考えます。
9.11の後、世界中に流れた飛行機衝突の瞬間の映像、悲しみにくれるアメリカ人の映像を見た時…正直に言います。戦争という手段をとって悪を成敗するのもアリなのではという考えが私の脳裏を過ぎりました。
しかし今の現状を見れば、やはり戦争なんてすべきものじゃないと痛感できる。
…一時の感情とは恐ろしいものです。
私たち人間はなぜ他の生き物と違い、考える力、言語、技術を持っているのですか。
全て、平和のために使いましょう。
[651] 北朝鮮の“ミサイル”初日は発射されず~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- WEB多事争編集委員 吉岡弘行
- 投稿日
- 04/05 01:36
北朝鮮が国際機関へ通告した発射期間の“初日”が終わりました。
午前中、朝鮮中央通信が「人工衛星の打ち上げの準備が完了した。すぐ打ち上げる」と宣言したものの、発射しませんでした。
日本政府は午後0時16分に「北朝鮮から飛翔体が発射された模様だ」と発表しましたが、すぐに“誤報”だとわかりバタバタしました。
この機会に、YOHEIさんへの問いかけ~『防衛を担う』『海外派遣』『戦地で戦う』という自衛隊の三つの活動はどう違うのか~への答えを入口に“正しい戦争”について考えてみたいと思います。
私は、いずれも延長線上に「ひとを殺傷する可能性をはらんでいる」という点で
三つの活動は区別できないと思います。
これら三つの活動を考えるときに必要なのは「自衛権とは何か?」「自衛力と戦力・武力の違いは?」「自衛権と交戦権の関係はどうなっているのか?」「自衛隊は軍隊なのか?」「駐留米軍の存在は許されるのか?」「許されるとしたら自衛隊との関係をどうとらえるか?」といった論点を、言葉の定義づけをキチンとした上で精緻に行うことが大事です。それは「侵略の戦争」か「自衛のための戦争」かがいまだに論争されていることからも明きらかでしょう。そもそも実際の戦争においては、「侵略」と「自衛」の区別は困難なのですが・・・。
まず押さえたいのは、世界各国において「自衛権」をどう規定するかは、それぞれの国の“憲法の問題”であるということです。「自衛権」は決して「国家固有の権利」ではないのです。
「自衛権」とは実力の行使と結びついた具体的な権利です。しかし、日本の「自衛権」は憲法9条によって放棄されたとみるべきです。
9条は一項で、自衛目的も含め、一切の戦争・武力行使・武力による威嚇を放棄しています。また、二項では、文字通り一切の戦力保持を禁じています。
「交戦権」とは、国家が戦(いくさ)を交える権利で、二項は、一項の放棄を“法上の権利”としても放棄することをうたっています。
自衛隊は二項で保持を禁ずる戦力に該当します。したがって憲法違反と考えるのが素直でしょう。またこうした憲法の解釈を考えれば「駐留米軍」は憲法上許されないと考えるのが自然です。
なぜなのか?
憲法の権力部分については、“縮小解釈”“限定解釈”をするというのが立憲主義の大原則だからです。本来、国家は憲法上明記されていない権限を行使することはできません。
自衛隊は防衛という“受け身”の態度ではありあすが、交戦活動を主たる任務とする国家機関であり、国際法上は“正規の軍隊”なのです。
1990年代以降、従来の政府解釈の変更ともみられる法律が相次いで制定されました。日本「周辺」での「有事」にさいして米軍への協力を可能にする『周辺事態法』(1999年)、アフガンでの米軍の活動へ支援を目的とした『テロ特措法』(2001年)、イラクへの自衛隊派遣の根拠となった『イラク特措法』(2003年)などです。これらは、立憲主義の大原則に対する“挑戦”ともとらえられます。
9条を取り巻く環境は、今日、非常に厳しいものがあります。
その厳しさを直視したうえで、私たちには現実的な平和主義を貫く姿勢や選択肢が
求められているのではないでしょうか。
このサイトに「憲法と“ねじれ国会”」を寄稿してもらった一橋大学の只野雅人教授は著書『憲法の基本原理から考える』(現代評論社・2006年刊)で、「もっぱら非軍事的な形態で国民の生命や安全を擁護しようする考え方」を選択することは、『武力による自衛権』以上に、多くの労力をもとめるであろうし、日本にとどまらず『全世界の国民』が『平和のうちに生存する』ことへの貢献をも要請しよう」と述べています。
同感です。こうした考え方を持って、今回の北朝鮮の“ミサイル”問題にも対処する必要があるのではないでしょうか。
[653] Re:北朝鮮の“ミサイル”初日は発射されず~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- 伊賀 敏
- 投稿日
- 04/05 10:11
誰も言わないけど、誤探知、誤報で、もし報復核ミサイルなんて撃ってしまったら、それこそ全面核戦争なんてものも想像できるわけで、本当はこれは大問題なんですよ。これが戦争の始まりなんだ。
いまや、日本では「春の核まつり」みたいになってますけど、これが映画でなく現実であれば24時間で何千万もの人が溶けて死んでしまうのだということをしっかりと認識しなくてはいけない。
[654] Re:北朝鮮の“ミサイル”初日は発射されず~“正しい戦争”は本当にあるのか
- 投稿者
- WEB多事争編集委員 吉岡弘行
- 投稿日
- 04/05 10:21
昨夜、書いた小論は読む人によっては、あまりに憲法論に偏った印象を受けられるのではないかと思いまして若干の補足をしておきます。
国際関係論からみた平和主義です。
本サイトの賛同人の藤原帰一教授が『「正しい戦争」は本当ににあるのか』(rockin'on社・2003年刊)という著書の中で「反戦のプラグマティックな実現法」ということを掲げています。
「憲法であっちゃいけないはずの自衛隊を黙認し、自衛隊を認めないはずの憲法を軍を抑える道具に使うという具合にやってきた。理念を掲げているのはずなのに、実はいつも現状追随という具合です。ここで抜け落ちているのが、どのような状況ならば誰がどう兵隊を派遣できるのか、逆にいえばどんな場合には派兵が許されないのか、って問題です」とした上で、<法の支配>の重要性を説いています。
「いまの世界がぐちゃぐちゃになっているのは、アメリカというひとつの国の軍隊が正義を代行するって事態になってるからですよね。ここで法による支配が実現しているとすればそれはアメリカの法による支配が実現しちゃっていちゃっているわけで、国際的にはアメリカの法に従っているということになる」と。
そして「いまの日本はなし崩しに、米軍と協力して海外のどこへでも出ることが当たり前のようになっている。いま起こっていることは、ワシントンが単独では兵隊を送りたくないところへ向けて、“日米関係をよくするため”に兵隊を送るだけです」と手厳しく批判しています。
その上で藤原さんは国連をベースにした平和維持活動の議論をきちんとすべきと以下のように提言されています。
「平和維持活動っていうのは何十万もの兵隊が相手の政府を倒すような活動じゃない。むしろ紛争が続くところで紛争の拡大を抑えながら、戦争がない状態をできる限り長期化させて、その間に安定した政府を作っていくという作業でしょう。そのために必要な技術というのは、地味で些細な信頼構築です」。
この考え方は、先の只野教授の意見と共通するところがあります。
2003年に出版された藤原さんの著作を私は事あるごとに読み返し、今はマーカーだらけになっています。ほとんどが引用になってしまいましたが、この本は繰り返し読むに値する名著だと思います。
[670] 集団的自衛権とか憲法改正とか言う前に
- 投稿者
- ton_paris E-MAIL
- 投稿日
- 04/07 01:58
今回の誤報とその後の騒ぎを見てて思ったのは、これは国家として大丈夫か?ということです。
何かの番組である民主党の議員が言っていましたが、「どんなに性能のいい兵器を配備してもそれをきちんと使いこなすのは人間だ」と。
もしこれが人工衛星ではなくて本物のミサイルが奇襲のように襲って来たら撃ち落とすどころか、全く関係ないときに空振りの迎撃ミサイルを発射したことになります。正直恐ろしくなりました。
少し前の憲法改正論議の時に集団的自衛権だとかなんだとか話題になっていましたが、今の自衛隊のこの現状では、そんなことを論議すること自体がナンセンスだと思います。きちんんとした準備をし、いざことが起きたら冷静に着々とこうどうする。憲法に認められていないからとかどうかというより、実際に国民の税金によって支えられ、現実に存在しているものなのだから、自衛隊は日々の訓練を重ね、それ相応の責任と果たすべき任務というものがあると思います。
そのことをしっかり頭に入れてほしいし、政府はそのようにしっかりコントロールする責任があるのです。憲法改正論議は、そういったことがきちんとできて初めて行われるべき、高いレベルの議論であることを忘れないでほしいと思います。
国家を衛るということに対して、こんな軽い感じでいる自衛隊や防衛省をそのままにしておいて、憲法が改正されたりしたら、再び60年前の不幸を繰り返すことにもなりかねないと危機感をいだいています。
[722] なぜ理性は働かなかったのか?
- 投稿者
- WEB多事争編集委員 吉岡弘行
- 投稿日
- 04/09 14:53
今週最大のニュースとしてメディアが報じた北朝鮮のミサイル発射について、作家の星野智幸さんが「なぜ理性は働かなかったのか?」(4月8日付け・東京新聞夕刊)という論文を寄稿されています。
星野さんは「オレオレ詐欺」に引っかかる被害者の脳の働き~脳はパニックに陥ると自動的に理性の働きを止める性質があるという~を例に、「今回、日本社会が取った行動は、進んでパニックに陥るという選択だった」と断じています。
その上で「日本上空を利用した北朝鮮のミサイル外交はすでに何度か体験しており、もはやそんなこけおどしに引っかかるような初心(うぶ)でもあるまいに、どうして日本だけが突出して過剰反応したのか」という問いかけに「そのように日本政府が誘導したからである。(中略)北朝鮮がミサイル発射を強行した背景には、病気をした金正日総書記の求心力を高める狙いもあった、などといわれている。同じことが日本の政府にも言えよう」と政府の対応を手厳しく批判しています。
私も同じような印象を持ちました。北朝鮮が国際機関に打ち上げの期間を通告しなければ、ここまでの騒ぎにならなかったと思います。我々報道機関も通告があったから4日の土曜日に特別番組の体制をとったのです。イージス艦の展開と迎撃ミサイルPAC3の配備がそれに拍車をかけました。
小沢氏の敵失で支持率が20%台に回復した麻生政権は、解散総選挙のタイミングをうかがっています。しかし、自民党サイドとて二階大臣をめぐる違法献金疑惑の捜査の進行状況を見守っている状況です。三木内閣の官房長官だった井出一太郎という政治家は「政治家が かたみに傷を舐め合いて 息潜めいる永田町界隈」という歌を詠んだそうです。
そんな状況で北朝鮮のミサイル発射宣言は政権が求心力を高める格好の材料だったといえます。「核武装せよ」などというとんでもない発言を平気でする政治家さえ現れています。
このサイトでは“正しい戦争”はあるのか?という議論において「正義」というキーワードが見られます。この言葉は使い方を注意しないととんでもない議論になってしまいます。現在は、とかく「正義」というと否定的にとらえられがちですが、イラク戦争に反対の姿勢を貫き通したフランスのドビルパン元外相は「21世紀を語る上でのキーワードは『正義』である」と言い切っています。
同様に「理性」という言葉も21世紀のキーワードになりうると思います。
「理性」とは、一時の感情に流されずに論理的に考えをまとめたり、物事を判断したりする脳の働きです。
日本では長期にわたる小泉政権時代、感情に訴える“ワンフレーズ・ポリティクス”“ポピュリズム”といったキーワードが流行しました。日本語の読解能力に疑問符がつく麻生首相ですが、彼もどちらかというと大仰な言葉で感情に訴える政治家でしょう。
とんと聞かれなくなった「理性」を、今こそ働かせる時期に来ていると思います。
[723] Re:なぜ理性は働かなかったのか?
- 投稿者
- こやぶ
- 投稿日
- 04/09 15:07
こういう時こそマスコミは冷静に分析した情報だけを流し続けて欲しいですね。
インサイドストーリーとかアナザーストーリーとか視点の違う分析も定番で流して欲しいです。
[731] Re:なぜ理性は働かなかったのか?
- 投稿者
- のぶこ
- 投稿日
- 04/09 22:05
”正しい戦争”は難しいテーマです。「何故かな?」と思っていました。
”なぜ理性は働かないのか?”で、なんとな~く解った気がしました。理性が働く人は『戦争』の前に『正しい』と言葉は、付けないと思います。理性が働く人は「この戦争は正しいのか?」考えるのではないでしょうか?
”正しい戦争”という言葉は心を惑わせ、本質・核心から離れてしまう気がします。私だけかな??
~~おやすみなさい~~