週刊争論

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[1] 「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
WEB多事争論編集委員 吉岡弘行
投稿日
02/13 10:00

文科省が1997年に廃止された「就職協定」のような「新しいルール作り」に乗り出した。
先日、筑紫さんの追悼シンポジウムが開かれた立命館大学の学生に聞くと「今は4回生になったとたんに内定が出る。場合によっては3月に出す会社もある」という。私が就職活動をした20年前は、4年生の夏休み以降にOB訪問が始まり、内定が出るのは秋が深まる頃だった。
今や学生たちは専門課程に進んで本格的な「学び」に入った時期に、せかされるように進路を考えないといけないのだ。
ケータイやネットがなかった私のころと違って、「あふれる情報」の中で右往左往する若者も少なくなかろう。また、専門分野を職に生かそうという発想を摘み、それが若者の「早期離職」の一因になってはいないだろうか。
大学の後期は、ゼミナールの仲間やサークルの後輩たちと「同じ釜の飯を食う」という人生において貴重な時間でもある。筑紫さんの著作『スローライフ~緩急自在のすすめ』ではないが、大学時代くらい「じっくりとSLOWに」(決してノンビリという意味ではない)いけないものだろうか。
お上からルールを押し付けられるのは善しとしないが、こと現在の就職活動問題については、「劇薬」を使って20年前に戻した方がいいと考えるが、皆さんどう思われますか?

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[10] Re:「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
伊賀 敏
投稿日
02/14 00:55

私の思い出は「就職なんてインチキだ」だった。 コネや縁故ばかりで条件の良い人気企業や職種は、とてもじゃないが枠がない。 ここにも階級社会が見え隠れする。 カエルの子はカエルでは社会が発展しない。 「権力者のご子息は何でも好きな職種を選べる」では不合理だ。 なにかうまい手はないものか。

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[13] Re:「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
宮本貴文 (HOME)
投稿日
02/14 09:47

>大学時代くらい「じっくりとSLOWに」(決してノンビリという意味ではない)いけないものだろうか。

同感です。
少なくともマスコミ就職のタイミングは早すぎます。
早く就職を取ったからといって、特別に多くの研修があるわけではないですし、
研修をしたところで、現場に馴染めるのかといえば、現在のテレビメディアは
制作会社任せのところがある。

だったら、まだまだ募集期間が遅くても良いのではないでしょうか?

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[20] 仕事と学問のつながりを明確にした教育を

投稿者
YOHEI
投稿日
02/15 21:42

私も勿論、異論はないんですけど、ただ大学とか高校の教育というのを見直して、
仕事につながる学問というか教育にしないといけないと思います。

やっぱり何でもそうですけど、どれだけ怒られたり、批判されたり、辛いことがあっても、「自分の好きなことを続けたい」という「本気で好きだ」という気持ちがないと続けていけないし、そういう気持ちをより早く芽生えさせる教育が必要じゃないでしょうか。

日本の教育は一律の決められた「知識」や「教養」をもち、口や紙とペンで発揮するだけとされていることで、肝心の「行動」「実践」という就職につながる部分が、公務員や法律家などの一部の仕事を除いて、抜け落ちている感じがします。

だから、みんな、わざわざ自分にないものをあるように見せて、慌ただしく苦労して就職して、また就職先で一から大変な思いをするしかないというか・・・

自発性が損なわれ、専門性も経験も時間も奪ってしまう教育であるということは言うまでもないと思います。

だから真の国民主権確立や労働の義務達成のためにも、仕事と学問のつながりを明確にした教育を、大学の貴重な時間を大切に過ごすためにも、政治家の皆さんには考えていただきたいです。

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[23] Re:仕事と学問のつながりを明確にした教育を

投稿者
池田早葉 E-MAIL
投稿日
02/16 14:00

 
 私はむしろ、もっと仕事と学問を切り離して欲しいと思っています。私の体験した教育は、いつも受験、就職活動と、先の不安が目の前にぶら下がっていました。言葉に出さずとも、その雰囲気が常にあります。
 もう、「全く就職のことは心配しなくて良いから卒業するまでは、もっと好きなことに励めるまさせてあげよう!」位の太っ腹を見せてもらいたいものです。
 そして就職活動は卒業してから数年かけて移動性を持ってする位の余裕を。
 そうしたら、大学名やゼミで優先される就職活動ではなく、社会で個人が発揮できる力に注目する形になれるのではないかと…。
こんなことをすると、もっと厳しい戦いになってしまうのでしょうか…。

 

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[41] そうなれば、いいんだと思うのですが。

投稿者
YOHEI
投稿日
02/17 10:59

そうなれば、いいんだと思うのですが。

ただ、派遣の問題などで指摘されているのは、経験をある程度、積んだ人を短期間でクビにしてしまって、また新しい人を入れて、一からになるというシステムです。

日本の良いところとして、20年前ぐらいまでは、「就職」ではなく「就社」という、1回その会社に入れば、定年まで、ずっと面倒を見てくれることが前提となっていて、勿論のことながら、社員はその会社で経験を積めるし、会社側は将来的にその社員に第一線で仕事してもらえるというメリットがあるし、やっぱり一つの物事に関して、早い目から経験しておく・おかせるというのは、誰にとってもメリットがあると思います。

ゆっくりと時間をかけた就職を否定するわけではないですが。

でもやっぱり、これからは人口減少や増税が嫌でも避けられない問題になってくるでしょうし、経済や社会構造そのものが衰退していく、世の中で生き抜こうと思えば、大学生活の中での早期の就職はやむを得ず、早期に様々な経験を積むことが求められてくるんじゃないでしょうか。

勿論、理想は池田さんの言う通りなんですけどね。

現実は厳しいです。

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[48] 迷い

投稿者
YOHEI
投稿日
02/17 15:02

先に書いたこと、自分自身のこともあるので、多少迷いがあります。

詳しくは、吉岡さんへの書き込みを見てください。

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[28] Re:「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
磯永征司 E-MAIL
投稿日
02/16 16:25

 かなり論が出ているので別の観点から。アメリカに行った時、卒業は秋口。入学は日本は4月、アメリカは9月。そして、アメリカのガイド(実はその人が大学を卒業したばかりの人だった)。「アメリカでは卒業して長い旅に出たり、ある勉強をしてみたり、アルバイト的に経験してみたりと色々とゆっくりと自分の職を探す人も多い」と語ってくれた。「へー」とその時は思った。
 定かに走らないが、日本もそうしてはどうかという話を伝え聞いている。そのことも検討のうちに入れていただければありがたい。

 現状では、早いもののやりたい放題。これは良くない。決まれば、哀しいかな学生は勉強しなくなる。もちろん単位は落とせないが。これは、私だけかもしれませんが。
 原因は様々でしょうが、スロウライフの世界は既に忘れられた過去の如し。段々、地球の回転が速くなり、いまや、高速回転。サンクトレテルブルグノの地下鉄に降りるエスカレーターよち早くなっているのではないか。速度は、日本の2倍くらいだった。「さあ、飛び乗れ。何モタモタしている。後ろが使えているではないか。早く降りろよ。なに、怖い。**こくな。そんなことで熾烈な競争に勝てると思うか」ばかり、日常教育されど押しである。
 チャップリンのモダンタイムスばりの映画が、現実になっている。
 根本から、筑紫さんの提案を生かすべきときに来たのである。このままでは、ついていけない人続出必定だが、世の中は冷たい。「遅いやつが悪い」ととんでもない事を平気で言う。人は其々、運動神経や体調などに差があることが確認されなければならない最初の重要ごとなのであるが、そんなこと知らないとお構いなしの世の中になっている。何のための世の中、シクミ?
 会社に会社の都合にあわせるのが当たり前ではないかと言う、へんてこな世の中である。その観点から、見直すべきと考えます。これは、そのスタディーケース。

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[30] Re[2]:「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
吉岡 弘行
投稿日
02/16 18:00

大学のときに1年留年し、ネパールにラフティングとトレッキングの旅をしたのですが、アンナプルナのベースキャンプに1週間ほどかけて登った際、アメリカやヨーロッパの大学生と一緒になりました。
半年休学して世界を回っているという学生や大学を休職して旅をしている教授らと
の出会いがあり、日本を基準にしてはいけないなと痛感したものです。
先日、立命館大学で筑紫さんの追悼シンポジウムに招かれ、会のお手伝いもしました。会場で流すVTR用に、たまたまニューヨークから来日していた音楽家の坂本龍一さんに「学びの可能性」をテーマにインタビュー取材したのですが、インタビューの最後に『キョージュ』は「学生の皆さん!よく学び、よく旅をしてください」と結ばれました。
TBSで時々、就職活動の面接官をつとめることがあるのですが、「学生時代に海外にホームステイに行った」とアピールする学生によく出会います。今や海外のホームステイは「ウリ」にはなりません。私なら、「この分野の学問について徹底的に勉強した」という学生のほうを買います。学問も「旅」なのですから。

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[44] 貴重なお話、ありがとうございます。

投稿者
YOHEI
投稿日
02/17 12:24

貴重なお話、ありがとうございます。

この3月で大学卒業なのですが、私は「よく学んで、よく旅して」はできませんでしたね。

後悔しているというよりは、大学生活は丸々、自分の障害や軽ウツとの戦いに使わざるを得ず、旅行に行けるような資金は稼げなかったので。

だから、近場まで筑紫さんのお話を聞きに行ったり、テレビやラジオの公開放送・イベントを見に行くのが、楽しかったですね。

あと、飛行機に恐怖感があって、実は小6のときに、北海道に行って以来、一度も乗ってません。

新幹線もちょうど1年前に乗るまでは、2歳のとき以来、20年乗ったことなかったです。

旅行も高校時代に東京に2回行って以来、遠出はしてないという感じです。

伊勢とか神戸とか近場はありますが。

私はそんな感じなので、留学や海外に行った方のお話って本当に貴重なんです。

また詳しく教えていただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

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[45] Re:貴重なお話、ありがとうございます。

投稿者
吉岡 弘行
投稿日
02/17 13:55

YOHEIさんへ
 そんな苦労がおありになったのですね。
私が海外に行ったのは、先に投稿したネパールのラフティングとトレッキングの旅が最初でした。大学時代は「一橋ストローム会」という川下りを楽しむサークルに所属していて、春休みや夏休みになると全国各地の川をキャンプをしながら上流から河口まで下る旅をしていました。4年間で北は釧路川から南は球磨川まで10以上の川を下って、5年生のときに海外ツアーに初めて挑戦したわけです。
 YOHEIさんは、物理的に長距離の旅は困難な状況だったそうですが、むしろ自分の住んでいるところや近場の好きな街をとことん歩いてみる。そしてその街のコミュニティーに溶け込むといったことが、いまや逆説的に「旅」なのではないでしょうか。(ソローの『Walking』という名著を読まれることをお勧めします)
 海外旅行の多くはパックだったり、それこそ短期間のホームステイだったり、あらかじめ行き先の決まった、いわば「お膳立てされた旅」です。
 野口由紀雄さんが「超・旅行法」という著作で述べられていますが、本来、旅とは自分と向き合う個人的なものだと・・・。もっと言えば「きわめて孤独なもの」だと思います。
 私は2003年に、「ニュース23」で一週間30分時間を枠大して『Go SLOW!』というスペシャル番組を制作しました。その中で、目が見えない男性、耳が不自由な女性、車イス生活を送る男性の3人が熊本へ旅に行く「足元を見つめる旅」という特集を放送しました。身体に不自由なところがあるからこそ見えてくるものもあるのですね。当時に比べ、バリアフリー環境もかなり進歩が見られますし、人々の意識も向上しています。
 坂本さんは、ニューヨークは「最近、面白くなくなってきた。今、住みたいのはベルリン」とおっしゃってました。
 就職の話からだいぶそれた感じですが、人生が長い旅だとすれば、就職もその一部です。その意味で「よく足元を見つめて選択すること」が必要だと思います。
今の制度では、足元を見つめる暇などないでしょうし、やはり4年間、じっくりと
学生生活を送って社会に出るという何らかの方策が必要だと思います。

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[47] 吉岡さん、ありがとうございました。

投稿者
YOHEI
投稿日
02/17 14:46

吉岡さん、ありがとうございました。

実は先週の水曜日、TBSの系列局の毎日放送が毎年やっている「ラジオウォーク」というイベントに参加し、藤原京を歩いてきました。

見た目は、田んぼが広がっている感じの、普通の「のどかな町」なのですが、その「のどかな町に」、持統天皇が百人一首の句で読んだ、天の香具山があったり、蘇我馬子が建立した飛鳥寺があったりと、日本史の教科書を歩いてるような感じで感動しました。

なので、吉岡さんの言われるとおり、近場の一人旅も大事ですね。

先の書き込みで、「就職は学問とセットにした方がいい」と書きましたが、「よく足元を見ること」も大事ですね。

実は私自身、発達障害の関係で、未だ就職が決まっていません。

卒業間際の今になって、大阪の障害者施設に、今週やっと行くところです。

京都の発達障害者センターよりも、大阪の方が、きちんとした就労へのシステムを備えているのが、調べていくうちに分かったので。

でも、それで直接、就労が決まるかは分かりませんし、卒業後も時間がかかりそうです。

「就職は学問とセットにして、うまくつなげた方がいい」というのは持論として、やっぱりあるんですが、それは「自分自身が、どうしていくかいう考えが浅いところ」にあるのではないかと、少し思えてきました。

あと、ソローの「walking」、図書館で探して読ませていただきます。

中川大臣が辞意表明し、報道局が忙しくなっている最中に、書き込みありがとうございました。

本当に感謝しております。

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[54] Re[2]:身近な旅

投稿者
higeman
投稿日
02/17 22:48

 「旅」という言葉を聞くと体の中の奥がウズウズしますね。「旅」を意識するだけで自分を俯瞰で見るような感覚、自分を他者としてとらえる感覚、そんな感覚になります。使い古された言葉で恥ずかしいんだけども、そもそも人生自体が「旅」と言えますよね。大人になって思うのは時間の使い方が下手になったなぁということです。そんな不器用な時間の中で私が習慣とといいましょうか、習性といいますか、よくやっているのが「散歩」です。
 「散歩」ですので、行く先に目的はありません。気の向くままに足を踏み出すわけですが、たったそれだけの事でも相当自分に対して意識的になってるんですよね。特に視線。なので、一眼を持って歩いてるんですが、普段の時間軸では見過ごすような物や風景に気づくんですよね。そういう時って時間が「自分のもの」になっている気がします。いかに、普段の時間が「社会的(他者性)」な時間の中で費やしているのか認識させられます。どちらも大事な事で、そのバランスをしっかり自分でコントロールする。なかなか難しいけど、こんな小さな旅でもそういう事が発見できたりします。そんな身近な旅お勧めです。

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[166] Re[3]:「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
磯永征司 E-MAIL
投稿日
02/24 22:56

 学問も「旅」。かっこいいですね。でも本当ですね。丘から林に入り、薄暗い山道に、そして、道なき道へと迷い込んで、道はないから引返そうにも引返せないし、手探り、足探りで言って、遠くに光一点が見えたときのうれしさは堪りません。
 予約なき、気ままな知らぬ土地をさまよう「旅」いいでしょうね。うらやましい。

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[350] Re[4]:「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
taku
投稿日
03/09 15:35

みなさんの投稿を拝見しながら思うところが非常に多かったため初めて投稿させていただきます。
私は現在就職活動中の大学生です。筑紫さんの最期の1年のゼミ生でした。
少しばかり私の大学生活を述べると、大学生活ずっと塾講師として、大学受験に悩んでいる高校生を相手にしてきました。その一方でアメリカに1年弱留学、そして昨年では筑紫さんに出会い、そのゼミ生に出会い、多くの人との出会いを通して、ようやく自分という人間がわかってきたような気がします。
私が論じたいのは、「旅」について。
私の好きな言葉に某サッカー選手が残した有名な言葉があります。「人生とは旅であり、旅とは人生である。」このサッカー選手は日本の頂点に君臨し、プレイヤーとしてピークの時期に突然引退しました。多くのメディアはこの人のことを、不可思議な視線をもって伝えていたと思います。
話変わって現在、氷河期と言われる中、学生は必死に次の「旅先」を見つけようとしています。自己分析、企業分析が必要だ、自己PRはこのように!エントリーシートはこのように書け!面接官はここを見る!自分の旅先を決めるのにも関わらず、まるでロボットのようにノウハウを取りいれ、ノウハウが導くままに次の旅先を決めようとしています。
この2つから私が思うこと。それは多くの人の人生が「旅」から「旅行」になっているのではないでしょうか。自分自身で自分の道を切り拓き、旅先で色々な人に出会い、色々な価値観を取り入れながら、また次の旅へと旅立っていく。こうした歩みかたではなく、現在では(特に若者)初めから行先が決められており、見るモノ、出会うヒト、そこから感じるモノ、すべてが一定の価値観や視点を持って、あたかもすべてに答えがあるかのように語られてしまう。
人生を旅する余裕はすでになく、スケジュールが最初から決まっていて、それに合わすことを要求されるのみ。現在の教育は、人生をいかに社会の中で充実させるか、ではなく、人生をいかに社会の中に組み込むか、その手段を伝えているのではと思ってしまいます。
 こんな偉そうなことを言っている私もそんな学生の一人。私自身残りの大学生活を、大いに旅し、大いに学び、また次の旅先で多くを学んでいきたい、そう思っています。

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[55] Re:「大学生の就職活動」~4年の秋以降にせよ!

投稿者
maeda
投稿日
02/17 23:04

現在就職活動中の学生です。
仰るとおり、外資系企業やマスコミはすでに内定を出し終わっているところもあるようです。NHKもエントリーシートの受付を始めています。

まず学生の立場から申し上げれば、一部の人を除き誰もこんなに早く就職活動を始めたいとは思っていません。貴重な時間を、勉学も含め社会に出る前に大学でしかできない事に使いたいと思っています。
しかしそれでも就職活動が早期に始まってしまうのは、会社が少しでも早く優秀な学生を確保したいがために「囲い込み」を行っているからです。最近では大学3年次の夏に行われるインターンシップが採用活動に影響する(良いパフォーマンスを上げた学生を会社がチェックしている)ことも多く、採用活動の更なる早期化に拍車がかかっています。

新卒重視の今の雇用体制の下では、どんな規制をかけても、採用側はあの手この手を使って早期に優秀な学生を確保しようとしてくるでしょう。(今でもありますが、「採用活動とは関係ない」といいつつ学生と接触する等)  新卒採用した学生が長期にわたってその会社で働くとなれば、採用側が少しでも優秀な学生を早いうちに確保すべく躍起になるのは当然のことでしょう。

吉岡委員が指摘された若者の「早期離職」にも関係しますが、私はこの終身雇用を前提とした新卒重視の雇用体制はもう限界に来ているのではないかと思います。吉岡委員は早期離職の原因は、若者の専門分野を生かそうと意識が摘まれている事にあると言われていますが、私は若者の早期離職率が上がったのは労働市場の流動性が高まったから、つまり離職した人の受け皿が、数は少ないながらも昔に比べれば整備されてきたからだと思います。(もう少し経験のある人材の転職が活発化したのも同じ理由だと思います)。

長くなりましたが、新卒採用の早期化を防ぐには企業の雇用形態に目を向ける必要があると思います。今の雇用形態では、規制をかけても結局企業は様々な方法で学生にアプローチしてくるでしょう。そういう状況の中で私が必要だと思うのは、終身雇用を前提とした新卒採用偏重の雇用形態を変え、労働市場の流動化を促進するような政策です。労働市場の流動性が高い欧米諸国では、学生が卒業した後1年くらい世界を放浪して、その後職を見つけるという事は珍しくありません。企業の側が新卒を日本ほど重要視していないからです。又労働市場の流動性を下げている伝統的な日本の終身雇用体制には、正規社員と非正規社員の待遇の違いや、非効率的な人材の活用等様々な歪が生じており限界に来ていると思います。

以上一学生の思うところです。長文失礼しました。

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[66] 手考足思の旅

投稿者
吉岡 弘行
投稿日
02/18 16:45

 maedaさんへ・・・・「協定」の実効性の確保は確かに難しい問題ですね。96年以前は、当時の日経連と大学が結んだ協定で、「企業の面接や解禁日を4年生の8月1日前後」と定めていたんですが、企業側が2月から5月にかけて内定を出す「青田買い」が横行した経緯があります。その意味で、私は「劇薬」という厳しい表現を使いました。「労働市場の流通性」も奥の深い問題ですね。
 話は少しそれますが、筑紫さんがよく色紙などにサインする好きな言葉に「多事争論」のほかにもうひとつ、「手考足思」というのがあります。
陶工の河井寛次郎が焼き物の心得として「頭でっかちではダメだ。手と足というものを使って考えたり思ったりすることが、いい焼き物をつくるんだ」という意味で編み出した言葉です。
 WEBのコーナー『新・明日への伝言』でも触れていますが、筑紫さんは学生に対して「書を持って街に出よ」と行っていました。いわば「手考足思の旅」のススメです。
 先週の全面リニューアルから、ぼちぼち反応が返ってきて、この『大学生の就職問題』も「論」が「旅」というテーマに広がって大変うれしく思います。
 筑紫さんは、月~金の生放送を18年続けながら、週末に地方に旅にでかける「旅の名人」でした。なぜ地方なのか?「東京という中心にいては見えないものがある。『地方』『辺境』というのは『端っこ』ということではなく、これからの行くべきところ、先端を示している『フロンティア』なんだよ」ーーー日曜日に東京にトンボ帰りして、麻雀をご一緒することがあった際に、このようにおっしゃってました。「地方では実に様々な人がいろんなことを試み、現状打破の努力をしている。市民というのは、自分で考え行動する人たちなんだ」とも・・・。 
 higemanさんがおっしゃるように「旅」には、なんともいえない響きがあっていいですよね。私が最初に大きな一人旅をしたのは、中学の卒業旅行で京都にいったことでした。正確にいえば宿泊先は親戚の家だったので完全な一人旅ではないのですが、基本的に一人で京都の寺や甲子園球場に野球観戦に出かけ、いまでも「京都」は特別な場所です。
 話が横道にそれた上、長くなりました。最後に『Walking』(ソロー著)と『超・旅行法』(野口悠紀夫著)以外に、私が愛読してきた旅本を5点紹介したいと思います。就活の合間にでも読んでみて下さい!(ハズレなしは保証します)
 ●『リバー・ジャーニー~世界の川を旅する』(白揚社・1984年)
 ●『何でも見てやろう』(小田実著・1979年)
 ●『ボクの音楽武者修行』(小澤征爾著・1980年)
 ●『印度放浪』(藤原新也著・1972年)
 ●『旅する哲学』(アラン・デ・ボトン著・2002年)

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[107] Re:手考足思の旅

投稿者
池田早葉 E-MAIL
投稿日
02/20 16:58

 学問も旅だと書いていた吉岡さんに私はとても賛成します。
旅に出て実際の世界を体験することと、本を読んで知識を深めることは、経験を積むという意味では同じだと私は思います。
ただ形が違うから、両方バランス良く経験したいですが。

 ノウハウにそって就職活動をしても上手くいかずに悩む学生、
わが道を進んで一発内定を取ってしまう学生。
そういう例を見ると、学生はちまたに飛び交っている様々な噂に惑わされる必要もないのかなと思います。
学生がもっと手考足思をして、
考える基礎となる経験や想像力を養っておければ、
あんなに沢山の情報が行きかっていおても、もう少し落ち着いて
就職活動できるのではないでしょうか。

 手考足思が出来る学生が増えれば、就職活動のあの常軌を逸した状態も変わってくるはずだと思います。
法律を改正して規制を強くしても、そういうことに時間をかけない学生が増えないと何も変らないのかなと思いました。

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[122] O嬢への手紙・・・そして「雇用」考

投稿者
WEB多事争論編集委員 吉岡弘行
投稿日
02/21 15:16

 私は『筑紫哲也ニュース23』に異動するまで、TBS社会部に1988年から10年間在籍していました。
 昨日、その社会部の前半時代に会社で庶務をつとめてくれていた貴方(O嬢)を囲んで当時のデスクやサブデスクたちが集まりました。
先月で39歳になったということは、私たちもそれ相応に歳を重ね、貴女を囲んで時が一気にタイムスリップした感じでホント楽しい宴でしたね。
 貴女は社会部を去った後、海外に留学して、帰国後はその語学力を生かして「アルク」社、「アゴス」社と留学派遣業務に携わってきたんですよね。
現在は、更なるステップを目指して新しい会社の就職試験の真っ最中。
明日はいよいよ役員面接ですね。心から応援しています。
 
 話は変わりますが、文部科学省が「企業から内定を得たものの取り消された高校生が今月6日の時点で269人に上る」と発表しました。
このトピック欄は『大学生の就職活動~4年の秋以降にせよ』というテキストで始めたのですが、高校生の方も含めて若者の雇用問題に「論」を広げてみたいと思います。
 筑紫さんは生前「企業の社会的責任のひとつは、『雇用確保』だ」とおっしゃってました。
 269人の方の思いはそれぞれあって、一人一人に伺いたいと思います。このページを開くことがあれば、是非その思いを書き込んでみてください。

 私は個人的には、「内定取り消し」はすべきではないと考えます。
どんな職種であれ、将来の戦力として、企業が雇用の契約を決断した若者をそう簡単に切り捨てていいはずがありません。これは企業倫理の問題です。
 正社員でさえ雇用崩壊が始まっているこのご時世に、何を甘いことを言っているんだ、という意見もあるでしょう。
会社の利益が半分になれば、極端なことを言うと「従業員を半分に減らすか、今いる従業員の賃金を半分にする」しかないんだからという論理も聞こえてきそうです。そうした意見は一見まともに聞こえます。しかし、それは一時しのぎの方策のひとつの選択肢に過ぎません。「雇用を守る」ということを前提にして、もっと多様な選択肢がきっとあるはずです。
そうした選択肢を政治や企業が具体的に示していくことが、この「未曾有の不況」を乗り切る道だと思います。その意味で、政治の責任は戦後最も重いといっていいと思いますが、ご存じのとおり、実情は戦後最低の体たらく。
去年収録した筑紫さんの『この国のガン』がますます真実味を帯びてきています。
 
 

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[163] Re:O嬢への手紙・・・そして「雇用」考

投稿者
りんりん
投稿日
02/24 18:09

 吉岡さんのおっしゃること。もっともだとおもうんですが
 理想と現実 ギャップはキビシイです

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[321] 丹羽宇一郎氏の『負けてたまるか!』に思う~大学を巣立つ皆さんへ!

投稿者
WEB多事争論編集委員 吉岡 弘行
投稿日
03/07 12:01

 いよいよ3月、卒業と新しい人生の区切りの時期が近づいてきました。
1週間、日本を留守にしていたので、久しぶりに『朝日新聞』を新幹線で読んでいたら、今日の『Be on Saturday』に丹羽さんの「青田買い」についてのコラムが
掲載されていました。「最近、大学の先生から『あなたがた企業はとんでもない』とおしかりを受けることが多い。学生の採用活動のことだ」という書き出しで、ご自身の「論」を展開されています。
 「大学は教育の場。企業も大学もお互いにルールを守るべきだ。私は就職(採用)活動は4年生の4月くらいからでも早いくらいだと思う。面接の解禁日を7月以降にするなどし、きちんと勉強させてはどうか。優秀な人材は就職活動のシーズン外でも採用される。通勤ラッシュのように決まった期間にウワッと押し寄せる必要はないんだ。(中略)不況で厳しい時代であっても、企業が求めているのは、大学でしっかり勉強をした人材であることに変わりはない」
 丹羽さんは、かねてから私が尊敬する企業人のおひとりですが、意見が一緒なので驚いて少々長くなりましたが引用いたしました。
文科省と経団連の御手洗さんに、リーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 さて、この時期、卒業旅行や新しい生活への準備でいろいろと大学生活を振り返ってらっしゃる方も多いと察します。
 あなたの大学生活は満足でしたか?これからの新生活にあたってどんな思いをいだいていますか?是非、その思いを投稿してください!

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[615] 就職の春~4月1日入社式に思う

投稿者
WEB多事争編集委員 吉岡 弘行
投稿日
04/01 10:34

 今日は全国の多くの企業で入社式が行われます。
TBSでも局内のスタジオで新人たちが式に臨みます。
 厚生労働省は3月31日、去年10月から今年6月までに失職する「非正社員」の数が19万2061人に上ると発表したました。テレビ業界もご存じのようにこの「非正社員」の人たちとのチームワークで番組制作が成り立っています。
 また、同省は、この春の就職予定者のうち内定を取り消された大学生や高校生が1845人だったことも明らかにし、内定を取り消した2社を公表しました。
 その一方で、文部科学省によると企業から内定の辞退を促されたり、給与の削減などを告げられたたりした学生は先月1日の時点で1052人。1日以降も各地の大学には同様の報告が増えているといい、この1052人の大半は、上記厚労省が発表した内定取り消しの1845人には含まれていないのです。
 今日、入社式に臨む新社会人は、去年のリーマンショック以前の内定者なのでいわば“100年に1度の未曾有の経済危機”の前に採用が決まり、その年に社会に踏み出す“狭間の世代”ともいえます。
 一方、来年度の就職活動をしている大学の新4年生は、もろに経済危機の波をかぶった世代ということになります。
 私が社会人になった1988年はバブル景気が始まった頃で、景気は91年にピークを迎えてはじけました。そして“失われた10年”があり、その後の景気回復も去年で終止符が打たれました。人生山あり谷ありといいますが、私は留年してTBSに入りました。今から思うと20代前半の一年の遅れなんて、その後の社会人の生活に余り支障はありません。
 むしろ一年長く大学にいたことで、第3外国語(中国語とスペイン語でいずれも中途半端でしたが・・・)の授業を取ったり、じっくりと卒論を執筆できたり、旅や読書、音楽に映画鑑賞といった趣味にたっぷり時間を割けた有意義な側面が多かったように思います。
 近頃の若者はなぜ数年で会社を辞めるのかといった類の本が出版されています。サントリーの広告担当を務め、4月1日に毎年、新聞広告で新入社員にエールを送っていた作家の故・山口瞳さんは「君たちの才能を買って会社は高い買い物をしたわけだ。人事担当者はそのために1年働いてきたのだ。いやな仕事、希望の職場に配属されなくても腐らず、3年は黙って働きなさい」といった趣旨のことを説かれていました。
 現在は作家の伊集院静さんにその恒例のエッセイは引き継がれています。
今朝の朝刊にも新社会人へのエールが掲載されています。
   
   その仕事は卑しくないか。
   その仕事は利己のみにならないか。
   その仕事はより多くの人をゆたかにできるか。
   その仕事はともに生きるためにあるか。
   今何より大切なのはともに生きるスピリットではなかろうか。
   会社とは、職場とはともに働き、生きる家である。仕事は長く厳しいが、い   つか誇りと品格を得る時が必ずくる。笑ってうなずく時のために、新社会人   の今夜はともに祝おう。

 金儲け一辺倒だったグローバリズムを否定し、共生社会を目指そうという伊集院さんのメッセージ。共感します。

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[621] しばらく「何もなし」です。

投稿者
YOHEI
投稿日
04/01 21:31

私は昨日で大学の籍がなくなり、今日からはしばらくの間、「何もなし」で過ごすことになってしまったのですが、発達障害者の就職って、テレビではとりあげられていませんが、結構、大変です。

ただ、せめてもの救いは、昨秋からTBSラジオで「全国こども相談室リアル」を担当されている、山本シュウさんというラジオDJさんに、「4月から、ニートになります」と先日あった大阪での講演会の終了後にお話したところ、「おう!ニートか。いいやんけ」と言っていただけたことです。

シュウさんは、フリーターをやってた20代のときに、現在、所属されている事務所の会長の奥さんをナンパしたことをきっかけに、事務所に入って、東京や大阪のエフエムラジオのDJを15年以上つとめられている方です。

なので、すごい今の若い世代の気持ちを分かってくれる、いい方です。

とは言え、やっぱり自分の中では、早く仕事に就きたいという気持ちが強いので、一歩一歩その手立てを積んでいるところです。

親にも周りにも、そうさせていただいてることに本当に感謝しています。

私の場合、普通の人の倍、人間関係に悩みそうなのと、嫌なことを頭で早く処理して気分を切り替えるのが下手なので、逆に自分に自信がある人は、そういう処理の仕方もうまいし、うらやましいというのが本音です。

経験の中で培われるのかもしれませんが・・・

今はとりあえず、仕事が見つかるか、見つかった後のそういう処理をどうするかという緊張感でいっぱいです。

吉岡さんの言われるように、多くの人を豊かにし、共に生きたいんですが、その前にこの2つの緊張感を和らげるための自分自身の改善につとめます。

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[645] 寂聴日めくり歴

投稿者
WEB多事争編集委員 吉岡弘行
投稿日
04/04 16:17

 YOHEIさんへ
 数年前から、瀬戸内寂聴さんの『寂聴日めくり歴』というカレンダーを愛用しています。
 このカレンダーは、文字どおり日めくりの暦なのですが、毎日寂聴さんの短いコメントが読めてしばしばハッとさせられる言葉に出会います。
 入学や入社のこの時期、3日ほどの寂聴さんの言葉を紹介します。

4月2日
  才能があるかないかを決めるのは自分ではありません。やってみた結果がすべ てでしょう。だからまず、自分のやりたいことをやってみることです。

4月3日
  私は若い人に対して希望を失ったことは一度もありません。彼らが将来を背負 っていくのだから、「しっかりしておくれ」とだだ祈るだけです。

4月4日
  「自分が選んだ以上、この道でのたれ死にしてもいいからやり抜く」という気 概を持って立ち向かうこと。そうすれば、その道できっと花が開きます。

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[655] Re:寂聴日めくり歴

投稿者
YOHEI (HOME)
投稿日
04/05 14:57

吉岡さんへ

コメントありがとうございます。

実は寂聴さんのお話を、2月に京都・嵐山の「寂庵」に聞きに行きました。

1室に200人がすき間なく座るという、ある意味、修業の場で、終わってからは足が痛くなってしまいましたが、でも寂聴さんの前向きさと言葉に勇気づけられました。

お話の3日ぐらい前に、自宅でころんでケガをされ、左手の腕に包帯をまかれていたのですが、それでも「わたし最近、いいことばかりだったから、よかったのよ」とおっしゃっておられて、更には若者には、「派遣切りとか言われてるけど、社会ともっと戦いなさい。」「最近の若い子は戦わないのがいけないのよ。」というメッセージと、吉岡さんが愛用されている寂聴カレンダーの「自分のやりたいことをやってみることです」ということを、源氏物語の講演会の合間に書かれた携帯小説「パープル」を例にあげて言われていました。

4月4日の「自分が選んだ以上、この道でのたれ死にしてもいいからやり抜く」という気概を持って立ち向かうこと。そうすれば、その道できっと花が開きます。

という言葉は、私の今にピッタリな言葉だと思います。

ただ、やりたいことが漠然としてるのと、障がいから来る不安で、どうしても制約を受けてしまう部分があって、人との出会いも、大学以外では、ほとんどないので、厳しい部分があります。(この4月からは大学生でなくなったので、ほとんど1人で過ごしていることが多いです。)

そのあたりは、ブログにつけていますので、お読みいただければ幸いです。

http://ameblo.jp/yoface/day-20090207.html

もうちょっと、自立力と意欲が欲しいのですが、当面の間はじっとしたいと思います。

こんなことしか書けません。

本当に申し訳ないです。

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[684] 新社会人おめでとう!サントリーの広告

投稿者
WEB多事争編集委員 吉岡 弘行
投稿日
04/08 16:16

 「就職の春~4月1日入社式に思う」という文章を投稿しましたが、昨日の朝日新聞夕刊の「DAYS」というコーナーに早速、サントリーの広告についての記事が掲載されました。
 私が紹介した山口瞳さんの新社会人へのエール広告は1980年のものでした。
「乱暴なようだけど会社主義を捨てろと言いたい。自由に働こう。もうひとつ。世の中には一宿一飯の恩義というものがある。三年間だけは黙って働け!」というのが正確な文章だったのですね。
 山口さんは95年8月に亡くなられました。それまで山口さんの小説やエッセイを楽しみにしていただけに心の底から哀しみがこみ上げてきたのを思い出します。
 作家は亡くなっても作品は永遠に読み継がれます。今でも時折、山口さんの短編集やエッセイを読むことがあります。
 最近、「昭和」を検証する企画がさまざまなメディアで組まれていますが、昭和の年号と同じサラリーマンの哀歓を描いた『江分利満氏の優雅な生活』(直木賞受賞)は、最初に大学時代に読んだのですが2年前に読み返しました。
 山口さんの作品は新潮文庫から数多く出版されています。
『私本歳時記』は珠玉の短編集ですし、『日本競馬論序説』は競馬ファンならずとも“勝負すること”“健康を維持すること”などについての読み物として優れていると思います。また『礼儀作法入門』『続 礼儀作法入門』は新社会人になられた方に是非、読んでほしい作品です。

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