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『X‐MEN』流出事件、組織的犯行の可能性も

 封切りを控えたハリウッド大作映画が流出し、その二日後に韓国語の字幕付きで韓国のP2P(個人間ファイル共有)サイトに公開された。「映画の闇市場」が想像よりも体系的に動いている証拠だ。5月1日(韓国では4月30日)の封切りを前に米国映画『ウルヴァリン:X‐MEN ZERO』がネット上に流出したのは、3月31日のことだった。正確には、制作を手掛けた20世紀フォックス社が米連邦捜査局(FBI)に捜査を依頼したのがこの日だ。

 同映画が韓国のP2Pサイトに初めて公開されたのは、その翌日の4月1日夜だった。このときは字幕が付いていなかった。ほとんど同じ時刻に二つのサイトで同時に公開された直後、ネイバーやダウムなど大手ポータルサイトに「X‐MENの字幕を送ってほしい」との要請が相次いだ。そして「親切な翻訳者」は、韓国語の字幕付きで3日夜から4日早朝にかけてネット上に公開した。

 『X‐MEN』は流出してから1日で7万5000件がダウンロードされた。これは昨年、『ダークナイト』が流出したときと同じくらいの速さだ。このスピードがさらに短縮されることを想定した場合、映画制作会社への被害はかなり大きくなるものとみられる。流出したのはコンピューター・グラフィック(CG)などの作業が行われていない段階のもので、封切り作品よりも10分程度短い。

 現在、FBIとアメリカ映画業協会は流出元を特定するのに力を注いでいる。流出した映像の一部には、ある企業の社名がキャプションとして残っていたが、まだ流出の経緯については発表されていない。この問題をめぐっては、同映画の特殊効果を担当したオーストラリアの企業が注目されているが、同社は「20世紀フォックスから映画の全編を受け取っていない」と関連を否定している。

 同協会は、韓国語の字幕が付けられるのに2日しかかからなかった点から、誰かが組織的に違法行為を助長していると推定している。ただ単に目立ちたいだけの行為にしてはあまりにもスピーディーだからだ。同協会の関係者は「封切り前に映画を横流ししてこれをネット上に公開し、字幕を付けるといった一連の過程には、金銭的な取引があると確信している」と語った。

ハン・ヒョヌ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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