不動産のことなら住友不動産販売…お住まいのお役立ち情報が満載!
この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
野球アジアシリーズ、先行きは真っ暗ヤミ
■江尻良文編集委員「球界に直言!」
風前の灯火になっているのが、今年4回目の大会のアジアシリーズだ。日本、韓国、台湾、中国の4カ国の優勝チームがアジアナンバーワンを争う国際大会で、趣旨は大いに結構なのだが、例年、日本シリーズの激闘の疲れを癒す間もなく開幕するので、ベテランの主力選手の不参加が当たり前になっている。
「アジアシリーズは、結局、花相撲だからね」という声が球界関係者から本音として漏れているのが現実だ。本邦初のビッグイベントというふれこみで、最初の3年間はコナミがスポンサーになり、年間3億円ともいわれるスポンサー料を支払ってくれた。が、今年はついにスポンサーなし。しかも、視聴率が取れないからと、地上波のテレビ中継もなくなってしまった。
「そもそも巨人が日本一になるのを想定して始めた企画だろう。読売が一役買い、球場は東京ドーム。それなのに、ロッテ、日本ハム、中日、今年は西武だろう。これじゃお客さんも入らないし、視聴率が命の民放のテレビ局も撤退するよ。せめて日本一になった球団の本拠地球場で開催しないと無理だ」―球界OBがこう指摘するのも当然だ。
が、「地方で開催すれば、移動費がかかるから難しいんだ。日本以外にはドーム球場がないから、韓国や台湾で開催するのも難しい」と関係者は頭を抱えている。それでも、今回は日本シリーズが第7戦までもつれ込んでくれたから、救われている。主催者の日本プロ野球組織(NPB)はホッと一息ついている。
日本シリーズは第4戦までは、収益金の大半が出場する両球団、選手にいってしまう。第5戦以降がNPBの金庫に大金が入ってくるシステムになっている。ここ3年間、第5戦までで決着しており、今年もそうなっていたら、一大事だった。が、最終戦まで行ったおかげで、入場料収入、テレビの放映権など合わせて1試合3億円ともいわれる収益金が入ったので、なんとかアジアシリーズを無事開催できたのだ。「今年は本当に日本シリーズ様々ですよ」と関係者は実感を込めて語る。が、それでも来年以降はどうなるか、何の保証もない。
「いつまで続けられるのか、誰にもわからない」というのが、アジアシリーズの厳しい現状だ。アジア各国の優勝チームの対決ということで、代表チームではないから、どうしても盛り上がりに欠ける。戦力が足りないからと、昨年までは唯一選抜チームだった中国も、今年は単独チームの天津ライオンズが参加した。韓国のSKワイバーンズを除き、台湾は統一ライオンズで、日本の西武ライオンズと合計3球団がライオンズという面白い組み合わせになったが、それでファンを動員できるわけではない。
来年3月に第2回大会が開催されるプロ野球界の国別対抗のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、米国、ドミニカ、ベネズエラ、日本などメジャーリーガーを多く輩出している野球強国、さらにキューバ、韓国などの強豪もいるので、これから先、ドンドン発展していく可能性がある。それにひきかえアジアシリーズの先行きは真っ暗ヤミだ。