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南米発の水虫、感染拡大 高校柔道部の5割に発症例

2009年4月10日7時2分

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 感染力が強く、脱毛の後遺症が残ることもある南米の水虫菌が日本に上陸し、格闘技選手やその友人、家族に広がっていることが、順天堂大学などの調査で分かった。柔道団体の3割、高校の柔道部では5割超で発症者が出ていた。適切に治療すれば治るため、専門医は診断・治療の指針を作り、検査を呼びかけている。

 この菌は、水虫などの原因となる白癬(はくせん)菌の仲間で「トリコフィトン・トンズランス」。格闘技などで肌同士が接触すると主に感染する。元々は南米の菌だが、01年ごろから国際試合に参加した国内の柔道やレスリング選手の間で感染が目立つようになった。

 髪と体毛、皮膚に主に感染し、一般的な水虫菌と違い、足には感染しにくい。感染力が強く、かゆみや湿疹などの症状が出る。軽症で症状が半年ほどで治まっても、菌が潜み、感染を広げる。頭部がうんで腫れあがり、頭髪の一部を失うなど後遺症が残ることもある。

 順天堂大学の比留間政太郎教授(皮膚・アレルギー科)らは全国の学校や道場にアンケートを実施。08年に、回答のあった約1200団体のうち、3割は発症者が出た経験があったと報告した。特に高校の柔道部では過半数を占めた。

 最近は、家族、友人へも広がり始めた。柔道経験者の女性が柔道をやめて3年後、生後10カ月の長女が発症した例や、格闘技とは無縁の10代女性が感染する例もあった。

 正しく診断、治療すれば、大半が完治する。専用シャンプーや塗り薬で治療する。重症なら飲み薬もある。ただ、一般的な湿疹などと誤診されステロイドを塗ると、重症化しかねないという。

 これらの結果は、26日に福岡で開かれる日本皮膚科学会で報告される。(田之畑仁)

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