岡山県立大二年生の太田賢太郎さんがきょう、エイズ遺児支援のためアフリカのウガンダに出発すると、昨日の本紙全県版が伝えていた。
太田さんは親を亡くした子を支援する「あしなが育英会」の奨学生で、会が取り組む支援活動の一環で派遣される。現地では子どもたちの心のケアや、読み書き・計算など教育支援活動を行うという。
日本人が満開の桜を愛(め)でている今この時にも、アフリカでは病気や飢え、紛争で幼い子を含む無数の命が失われている。折々に伝えられる日本の若者の行動力に頭が下がる。しかし、アフリカに対する人々の関心は一般に薄い。
外交専門誌「外交フォーラム」四月号に、国連の世界食糧計画(WFP)で働く忍足謙朗さんの寄稿がある。現在はアフリカでも最も悲惨といわれるスーダンで人道支援に従事している。
常に危険と隣り合わせだが、直接命を救うこの仕事に誇りとやりがいを感じているという。続けて「世界の関心が失われれば、今かろうじて繋(つな)ぎとめられている小さな命までが瞬く間に失われていく」と記された言葉が重い。
まず気持ちで寄り添うことから始まると思う。日本からの配給食料の袋には単に国名でなく「From the People of JAPAN」(日本の国民から)とあるそうだ。