(CNN) 仏大統領府は10日、ソマリア沖のアデン湾で軍が海賊に乗っ取られたヨットの救出作戦を実施し、人質のフランス人1人と海賊2人が死亡したと発表した。
ヨットは4日に海賊に乗っ取られ、子供1人を含む民間人5人が人質になっていた。
国防省によると、軍は海賊に対して人質交換を申し入れ、母親と子供を軍関係者と交換させようとしたが、海賊側はこれを拒否して人質を1人ずつ殺すと脅迫。ヨットがソマリア沿岸に近付き、人質が上陸させられる恐れが強まったことから、救出作戦に踏み切ったという。
仏メディア各社の報道によれば、特殊部隊がモーターボートで近付いて乗っ取られたヨットを攻撃し、海賊との間で銃撃戦になった。この銃撃に巻き込まれてヨット船主の男性と、海賊5人のうち2人が死亡。船主の妻と3歳の子供、友人2人は救出された。
ヨットの一行が書いていたブログによると、一行は昨年夏にフランスのブルターニュを出航して世界一周の旅に出た。最後の更新となった3月20日付のブログには、アデン湾に差し掛かり、フランス軍から2度にわたって海賊について警告されたと記している。