最高裁は10日、全国の地裁で08年に起訴された裁判員制度対象事件が計2324件だったと発表した。1事件につき補充裁判員2人を含め8人の裁判員が選ばれると仮定すると、裁判員総数は1万8592人となり、有権者5593人に1人が選ばれる計算になる。
対象事件の内訳は▽殺人543件▽強盗致傷590件▽現住建造物等放火234件--など。
08年9月2日現在の有権者数で試算すると、1年間に裁判員に選ばれる確率が最も高い都道府県は高知(有権者3119人に1人)。次いで福岡、山梨、大阪、千葉となった。確率が最も低いのは、山形(1万7426人に1人)で、富山、石川、秋田、岩手が続く。高知と山形では5・6倍の差があった。
裁判員制度対象事件数は、最高裁が統計をとり始めた03年の3646件から年々減少傾向にあり、今回も前年より321件減った。【銭場裕司】
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■裁判員裁判事件と裁判員に選ばれる確率■
都道府県 事件数 確率
北海道 81 7136
青森 21 6976
秋田 9 13066
岩手 11 12701
宮城 39 6110
山形 7 17426
福島 43 4853
茨城 60 5048
栃木 50 4079
群馬 27 7557
埼玉 110 6559
千葉 172 3640
東京 259 5092
神奈川 120 7545
新潟 20 12355
富山 7 16241
石川 8 14807
福井 9 9117
山梨 26 3393
長野 20 11046
岐阜 40 5298
静岡 51 7543
愛知 156 4644
三重 32 5891
滋賀 18 7622
京都 51 5158
大阪 250 3545
兵庫 86 6596
奈良 28 5164
和歌山 20 5350
島根 8 9351
鳥取 11 5563
岡山 36 5492
広島 29 10038
山口 14 10892
徳島 14 5931
香川 21 4962
愛媛 31 4862
高知 26 3119
福岡 156 3280
佐賀 20 4319
長崎 22 6746
熊本 32 5836
大分 22 5660
宮崎 22 5328
鹿児島 16 11007
沖縄 13 10186
全国 2324 5593
※事件数は08年。確率は何人に1人選ばれるか。08年9月2日現在の有権者数で試算。裁判員は1事件につき補充裁判員2人を含む8人
毎日新聞 2009年4月11日 東京朝刊