9日夜、北朝鮮の国会にあたる「最高人民会議」に出席した金正日総書記の姿が国営・朝鮮中央テレビで放送された。朝鮮中央テレビは会議の映像を繰り返し放送しているが、10日の放送では「あるシーン」がカットされた。 9日午後8時からの放送では、入場シーンで金総書記が足をついた瞬間、ヒザが崩れる映像が流れた。映像を見た医師は「マヒが伝えられた左足が弱っている」と指摘する。しかし、10日午前9時からの再放送では、ヒザが崩れた瞬間の1秒間をカットして放送されている。
また、前回(07年)の最高人民会議に出席した時の映像と比べると、拍手の時に左のヒジがほとんど動いていない。金総書記は重病説を払しょくした一方、体調が万全でないことをさらけ出したことになる。
この映像を公開した意図について、北朝鮮情勢に詳しい慶応義塾大学・礒崎敦仁講師は「北朝鮮の人々は(金総書記の)動画が出ないことに相当不安を覚えていたと思う。多少やせたとしても、金総書記が依然として権力を保持しているのを誇示した方がいい」と分析している。