脱会説得者の宮村峻氏など6名を書類送検 - 統一教会員を12年監禁した容疑で  

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脱会説得者の宮村峻氏など6名を書類送検 - 統一教会員を12年監禁した容疑で (2月11日付) 

荻窪警察署は3日、後藤徹氏(45)を逮捕監禁、監禁致傷、統一教会(統一協会)からの脱会を強要した疑い(強要未遂)で、同氏の母親、兄、兄嫁、妹、ならびに株式会社タップ(東京都杉並区荻窪)の社長宮村峻氏(63)、日本同盟基督教団・新津福音キリスト教会牧師の松永堡智氏(64)を東京地検に書類送検した。

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 後藤氏の告訴内容は、95年9月に西東京市の実家に戻ったところ、家族を含め数名の者に拉致され、新潟県内のマンションに監禁された。

97年に東京都杉並区荻窪のマンションに移送され、08年2月10日まで監禁。監禁中に元統一教会員だった兄、兄嫁、妹、また松永氏と宮村氏から脱会を強要された。

その過程で、「全身筋力低下,廃用性筋萎縮(特に両下肢),栄養失調,貧血」の傷害を受けた - というもの。

 荻窪警察署が後藤氏から告訴状を受理したのは08年6月。それから約8ヶ月にわたって、警視庁の捜査一課と荻窪警察署が合同で捜査を行なってきた。

事件の中心人物と見られる宮村氏本人には任意での事情聴取を繰り返してきた模様だが、証拠に乏しいこの種の事件では家宅捜査を含め逮捕拘留して取り調べるのが一般的。それをしなかった警察の態度には疑問が残る。

 しかし、3日の送検で、捜査の舞台は検察に移る。異様としか言いようのない12年5ヶ月にわたる監禁事件に、東京地検がどのような処分を下すか注目される。

 同種の事件では数年前に、後藤氏と同じように逮捕監禁され、監禁下で脱会強要を迫られたとして今利理絵氏、富澤裕子氏、元木恵美子氏、寺田こずえ氏が家族と牧師を刑事告訴している。牧師に対する検察の判断は、今利氏が告訴した牧師は嫌疑不十分の不起訴、他の3人が告訴した牧師はいずれも起訴猶予の不起訴処分だった。

なお、12年間の監禁は、「新潟少女監禁事件」の9年間を上回る、戦後史上最も長期にわたるものである。

後藤徹氏の話
「監禁を解かれたのは昨年の今頃のことだった。それから一年後に書類送検されたことに、感慨深いものを感じる。統一教会員というただそれだけで、12年間もの人生を奪われたことに怒りと哀しみを覚える。東京地検には厳正な捜査と、厳重な処分を期待したい。
 2月15日に市民組織・拉致監禁をなくす会を立ち上げる。これまで拉致監禁された人は4000人以上と言われている。現役信者、脱会者を問わず、みんなで協力して拉致監禁をなくしていきたい」

(文責 米本和広)



写真説明

「12年間も監禁されていたという人が本部にやってきた。衰弱が激しいので、緊急入院の措置を取った」
統一教会からこんな連絡を受けたのは、昨年の2月12日のことだった。翌日、入院先の一心病院に出向き、後藤徹さんを見舞った。そのときに裸になってもらって撮った写真が別掲のものである。

一人で立つとふらふらするような状態で、廃用性筋萎縮(特に両下肢)と診断されたように、両足は死に行く老人のそれだった。身長182センチに対して、体重はわずか39キロしかなかった。

その後、驚くべき回復力を示し、現在の体重は70キロ。目の周辺の隈もなくなり、元気溌剌に牛乳販売の仕事をしている。

なお、後藤さんを見舞ったあと、宮村氏にインタビューした。それらを陳述書にまとめ、別掲の写真とともに荻窪警察署に提出した。

後藤さんの事件の概要については『我らの不快な隣人』のエピローグをぜひ読んでください。
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コメント

12年5ヶ月の監禁?!

我が家の事件でも、起訴猶予処分だった。ましてや、この事件が不起訴になれば、日本の法治機能が崩壊すると思う。山口弁護士が、荻窪署に乗り込んだらしいが、愚の骨頂だ。統一教会への憎悪はわかる。でもね、12年5ヶ月の監禁は人権派弁護士としてどうなのさ。なぁ、山口弁護士くん。やばいんじゃないの?

この国の国家体制は?警察組織は?

やっと、警察が動いてくれたのですね。普通、このような、事件が存在する。と言うことが現代の不思議ですし、警察もそれに対して動かないと言うことも不思議としか言い様がありません。
 投書や、本が出てよく知れ渡るようになってから動く警察組織という事を国民としてまざまざ見せ付けられて、この国の警察組織は逆に犯罪が起こっても、延滞を可能な限りに引き伸ばす習性が付いてしまっている、個人にとって守ってもらえない、どんな危険が多い国か?ということに背筋が凍りつきます。警察組織の大改革まで言及しないといけない事件だと思います。

SAKAさんへ

投稿ありがとうございました。

警察と拉致監禁問題との関係については、近く「一筆一論」で書くつもりです。

12年以上に監禁された後藤さんの事件は、警察ではなく、もう霞が関の検察の手に移りました。
もうこうなれば、警察より怖い検察に任せるしかありません。見通しについてもまた書くつもりです。
どうかご愛顧のほど、また投稿よろしくお願いします。

ドメステッィク・バイオレンスでは

この人って暴力をふるわれたりしなかったのでしょうか。ドメスティック・バイオレンスにならないのでしょうか。暴行を加えられなくても、閉じ込めること自体が拷問に値する苦痛でしょうし、それが12年と続いて書類送検ですむのかなと疑問に思います。世間にはアングラな噂とかで親子の近親相姦とか表沙汰にならない犯罪がありますよね。似たような意味で重大な問題と思います。

ババイヤさんへ

暴力有無の質問ですが、後藤徹さんは暴力を受けています。ただ、傷害になるほどの暴力ではありません。そのため、逮捕監禁(懲役7年以下)のほかに監禁致傷罪として告訴したのだと思います。
12年間の監禁なのに書類送検とは私も納得できません。当然、逮捕拘留して捜査すべきでしょう。
任意での捜査期間中、宮村氏や松永氏、また後藤氏の家族らが話し合いをもち、「監禁はなかったことにしよう」などと口裏を合わせることも可能だからです。罪証隠滅の恐れが予想されていたわけですから、当然、法律に則って逮捕すべきだったと思います。

警察と拉致監禁については、近く「一筆一論」で取り上げる予定です。

お返事ありがとうございます。写真で見るとナチの収容所から出てきたユダヤ人のようです。密室で起きた女子高生コンクリート殺人事件の時は被害者が殺され、他人による犯罪だったことで大事件となりましたが、生かしておいたとしても密室で12年閉じ込めるのは大変な事件だと思う。ナチスに対しては今でこそ「狂気」と言われるけど、今起きている誰も気がつかない進行中の水面下での人権侵害については狂気とも何とも言われない。その時がもっとも深刻だと思う。ドメスティック・バイオレンスでも幼児虐待でも世間では幼児が死んだとか誰かが死んだ結果が出ないと話題にされない。それはおかしな話です。この被害者は死んではいないとはいえ、正気の沙汰とは思えない事件です。

警察の言い分

監禁を扱うのは、刑事部の強行犯係になります。つまり、殺人事件などを扱う係です。昔は、よく監禁現場にも行ったよと、古参刑事が語ってくれました。『だけどさ、我々が踏み込むと、みんな家族の話し合いだって、本人が言うんだよ。こっちは殺人事件もやりながら、やっとこ踏み込むのにさ、そんなことばかりじゃ、やってられないっていうのが本音だね。統一教会の監禁については、他の強行犯係でも同じじゃないかな』殺人事件と親子の揉め事、という天秤が警察内部にはあるようでした。統一教会の信者さんには、ぜひとも、信仰を捨てないで頑張っていただければ、警察の対応も違っていたかもしれません。警察にとっては、『狼少年』と同じ理屈なんですね。この事件も本当にひどい事件だと思いますが、警察の捜査対応からみて、検事が起訴するかは、残念ですが、せいぜい家族は起訴猶予、他の連中は証拠不十分で不起訴でしょう。万が一でも起訴されたら、スクープですね。
  • [2009/02/19 00:40]
  • URL |
  • 警視庁記者ラクダ
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心の傷

こんにちは、初めてお邪魔しました。

 私も日本で軟禁された事があります。たった10日足らずでしたが、その時の孤独と受けた言葉は今も忘れられません。血のつながった氏族が相手だけに、心の恨を解くのは大変です。
 
 12年の苦痛を癒す恩恵がありますように。
 貴重な記事をありがとうございました。

アーヤさんへ

 投稿ありがとうございました。
 短いコメントにもかかわらず、私の本に登場する3人の女性の心模様がつい思い出されてしまいました。
 
 おそらく韓国に住んでいらっしゃるのではないかと推察いたします。
 近く、本の第14章(韓国に渡った花嫁たち)に登場してもらった門田由紀江さんのその後のことを「一筆一論」で取り上げる予定です。そこで、もし良ければ(精神が不安定にならない限りにおいて)、体験を語っていただけたらと、希望します。どうかよろしくお願いいたします。

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