ちょっとアイルランドについて勉強したくなって、「妖精のアイルランド 「取り替え子」の文学史」(下楠昌哉 平凡社新書)を取り出してきて読んでみた。以前から興味を持っていたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)について書かれている部分には次のように書かれていた。 シンシナティ、ニューオーリンズ、そしてカリブのマルティニーク。新大陸においても落ち着くことなく各地を転々としたハーンは、このときすでに成人に達した男性であり行く先々で何人かの女性と深い仲になった。彼女たちは、社会のなかで周縁に位置する有色人種の女性たちであることが多かった。母親がギリシア出身で浅黒い肌をしていたことや、自分の父親の社会から結局は追われてしまったことが、この時代のハーンの女性関係には深く影響していたのかもしれない。特に1875年、25歳のときには、奴隷だったこともある黒人と白人の混血の女性、マティ・フォウリーとシンシナティで結婚式を挙げた。ただし、この結婚は、当時の白人と有色人種の結婚を禁じた法律によって、無効とされた。ともあれ、文筆で身を立てることが現実味を帯びてきたこのころのハーンは、自らが訪れた土地でねんごろになった女の寝物語から、その地に伝わる話を収集する術を、ひとつの方法論として身につけてゆく。 これを読んで、今まで文学者としてしか見ていなかったハーンを一人の男性として認識した。考えてみれば、ハーンも片目だったんだなあ・・・。 http://magnoria.at.webry.info/200606/article_130.html ←上田敏と小泉八雲 著者の下楠昌哉氏は現在同志社大学学部英文学科准教授だそうですが、以前静岡文化芸術大学で教鞭を取られていたそうです。またアイルランド留学時に、全アイルランド大学柔道選手権65kg以下級で優勝されているそうです。 http://letters.doshisha.ac.jp/ppl/tcr/eng/eng_pro_028/index.html ←下楠昌哉氏プロフィール http://blog.goo.ne.jp/curonyanko/e/4da0387b43b6ebcf7230b0f3da32ac5f ←くろにゃんこの読書日記 http://ciel.relieur.net/archives/09/02/04_14.php ←Ciel Bleu http://usagiya.hontsuna.net/article/1554406.html ←積読山脈造山中 |
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