「派遣村」的相談会の新聞報道
この週末で多くの「派遣村」的な相談会の取り組みが行なわれました。「派遣村」的な相談会の取り組みとは、一つの分野だけでなく、解雇・失業などに伴う様々な問題に対応し得る複数の分野を集めた相談会の取り組みと私は捉えています。
今後行なわれる「派遣村」的な相談会には次のようなものがあります。
浜松 「トドムンド浜松派遣村」 3月29日(日)~30日(月)
東ふれあい公園で開催。主催は生活保護支援ネットワーク静岡など。
各種相談会、炊き出しほか。
30日には市役所までのデモや生活保護の集団申請も行なう。
(「トドムンド」とはポルトガル語で「みんな」の意)
元BP@闘争中様からの情報提供で、次のような相談会もあります。
http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=15912
鹿児島派遣村実行委員会 29日から4月4日、同市ボランティアセンターで集中相談会、炊き出し無し
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20090318ddlk10040118000c.html
「ぐんま派遣村」26日、前橋市 炊き出し有り
http://www.kajocentral.com/event/event.htm
山形29日 派遣切りやめろ!雇用を守れ!大相談会 炊き出し有り
さて、この週末の「派遣村」的相談会についての報道ですが、多くは地方面での掲載となったようで、各地の活動がまとめられている記事はなかなか見当たりませんでした。そんな中で、しんぶん赤旗は3月22日の朝刊一面で埼玉、愛知、大阪の取り組みを紹介していますのでご紹介します。引用部分は青で表記します。
派遣村/「所持金4円」と駆け込み 埼玉・愛知・大阪で相談会
しんぶん赤旗 2009年3月22日(1面)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-03-22/2009032201_01_0.html
大企業による「派遣切り」が年度末を迎え急増しています。職や住まいを失った労働者を支援しようと二十一日、埼玉、愛知、大阪など全国各地で、労働組合や市民らが「一日派遣村」の支援行動に取り組み、訪れた労働者の切実な相談に応じました。
埼玉
埼玉県では、さいたま市大宮区の鐘塚公園を会場に、「反貧困・駆け込み大相談会in埼玉」が開かれ(実行委員会主催)、百二十人が訪れました。二十二日も午前十時から同所で行われます。
「二月まで日研総業で派遣として働いていたが切られた。住むところがなく、所持金は四円だけ」(三十四歳男性)、「日研総業から日産ディーゼルに派遣され、昨年十一月に仕事を失った。所持金は三百円」(三十七歳男性)、「登録型派遣で働き仕事が切れて収入が途絶えた。カプセルホテルやインターネットカフェを転々とした。所持金は千円」(四十七歳男性)などの相談が寄せられました。
会場で開かれた集会に日本共産党のあやべ澄子・伊藤岳両衆院北関東比例予定候補、柳下礼子・山川すみえ両県議、松下裕さいたま地区委員会副委員長が参加し、柳下県議が「人間らしく生きられる社会をめざしてともに頑張りましょう」とあいさつしました。
愛知
愛知県岡崎市では、岡ビル三階フロアを会場に「反貧困・駆け込み相談会」が行われました。雇用や住宅、医療、生活保護など分野別のブースが設けられ、弁護士、司法書士、市民ボランティアら百人のスタッフが応対。健康チェックや、おにぎりなどの炊き出しも行われました。
午後四時までに六十九人が訪れ、「夫が、派遣先のトヨタの下請け工場を解雇された。今月いっぱいで寮から出される。どうしたらいいのか」(二十八歳女性)、「四月までの契約だったのに、今月末でクビといわれた。再就職のメドがない」(四十八歳男性)などの訴えが相次ぎました。
実行委員の榑松佐一愛労連事務局長は、「相談から生活保護申請まで総合的に対応したい。住居を失った人でも失業保険を申請できるなど、現行制度を広く知ってもらう努力が行政に求められる」と語ります。日本共産党の八田ひろ子衆院東海比例予定候補も訪れ、スタッフをねぎらいました。
二十二日も午前十時から午後四時まで開設します。
大阪
弁護士や労働組合、市民団体などでつくる「反貧困ネットワーク大阪実行委員会」は、大阪市の中之島公園で「反貧困・春の大相談会in大阪」を開きました。
実行委員長の木村達也弁護士は、「一人でも多くの人に安定した生活が獲得できるようにしたい」とあいさつしました。
大阪市役所南側の中之島プロムナードに並んだテントでは、弁護士や司法書士、労働組合の役員などが生活、労働、借金、住まいなどの相談に応じました。朝から、多くの人が訪れ、列をつくって順番を待つ場面も。
医師、看護師、歯科医による健康診断や、弁当などの提供も行われました。
「生活をやり直すチャンスがほしかった」と相談にきた男性(52)は、生活保護の申請に行くことになり、「何も知らなかったので、ここにきてよかった。一人の力は知れている。」と話していました。
二十二日の相談会は大阪市役所南側の特設テントで、午前十時から午後五時まで行われます。
また、地方版の記事は、毎日新聞が紙面では医療相談のコーナーの写真を掲載してくれていたのでご紹介したいと思います。サイト版には写真はないのですが。
反貧困・駆け込み大相談会:さいたま「派遣村」に120人/埼玉
毎日新聞 2009年3月22日(埼玉中央版)
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20090322ddlk11040128000c.html
◇「働きたいけど家がない」 反貧困ネット「行政は社会復帰の支援を」
派遣社員らの大量解雇が予想される年度末に合わせ、弁護士や社会福祉士らでつくる「反貧困ネットワーク埼玉」(川井理砂子代表)は21日、さいたま市大宮区桜木町1の鐘塚公園で「反貧困・駆け込み大相談会in埼玉」を開いた。訪れた120人の生活困窮者が「働きたいけど家がない」などと窮状を訴えた。【山崎征克】
受け付け開始前の午前10時前、会場には既に約20人の相談者が集まっていた。車上生活をしていた、千葉県から訪れた男性(39)の所持金は10円。昨夏、派遣社員として働いていた工場を辞めた後、病気で入院したこともあり、借金も抱える。「無料の健康相談もあってありがたい。早く病気を治して働きたい」と、か細い声で話した。別の路上生活者の男性(38)は、「就職活動しているが、不況で雇ってくれるところがない」と頭を抱えた。
会では、弁護士や看護師らが、▽健康▽生活・労働・多重債務▽住宅▽女性--などのブースに分かれ、相談を受けた。元派遣社員以外にも、「過労でうつ病になり、困っている」「夫の給料が下がり、住宅ローンを払えない」など多くの相談が寄せられた。
夕方には、実行委ら約50人が近くのビルに入る県緊急求職者サポートセンターを訪れ、家のない相談者が生活保護を申請する間に利用できる緊急宿泊所を求める一幕もあった。実行委は事前に県とさいたま市に打診していたが、「すぐに貸せる施設はない」との回答を受けていた。この日受け付けた県就業支援課の職員は、「民間の無料低額宿泊所などを紹介している」などと説明。実行委は「宿泊所は満員で入れないのが実情」などと訴えたが、話し合いは平行線に終わった。家のない約30人は23日以降、さいたま市などに生活保護の申請をするという。
社会福祉士で実行委の藤田孝典事務局長は、運営するNPO法人で、センターのサポートから漏れた人の相談も受ける。「行政は家も職もない人が社会に復帰できる態勢づくりをすべきだ」と話す。相談会は22日午後5時まで。
今後、反貧困ネットワーク埼玉が中心になって取り組みを継続していくことになりますので、また新しい情報があれば報告したいと思います。
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