ソフトバンクは10日、2009年3月期に750億円の特別損失が発生すると発表した。子会社が過去に発行した普通社債を事実上、期限前に償還するために活用した特殊な証券化商品で同額の損失が確定したため。前期の連結純利益へのマイナス効果は444億円になるが、黒字は確保できるとしている。
ソフトバンクの携帯電話子会社、ソフトバンクモバイルが過去に発行した社債3本、計750億円の償還期限を事実上繰り上げた際に「合成CDO(債務担保証券)」と呼ぶ証券化商品をその償還資金として充てた。その合成CDOが元本割れし損失が発生した。
合成CDOはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を組み合わせて構成する証券化商品。ソフトバンクの場合、160の構成銘柄のうち8銘柄がデフォルトすると元本の750億円の全額を失う。損失発生の可能性は開示していたが、10日に証券会社から元本割れの通知を受けとり、損失が確定した。
(10日 20:04)