警察庁は10日、3月の振り込め詐欺の被害が835件計約9億2800万円に上り、統計を取り始めた04年7月以降最少となった2月から再び増加に転じたと発表した。被害や対策の主流ではなかった融資保証金詐欺や架空請求詐欺が全体の数字を押し上げた。新たな対策が迫られる。
警察庁によると、認知件数は警察庁が「振り込め詐欺撲滅月間」として取り組んだ2月から170件(約25%)増加。被害額も約1億900万円(約13%)増えた。内訳は▽架空請求詐欺295件▽融資保証金詐欺274件▽おれおれ詐欺224件▽還付金詐欺42件--で、おれおれと還付金はほぼ2月並みだったが、融資保証金と架空請求はそれぞれ117件、44件増えた。
架空請求は、詐取金の受け渡しにエクスパックや私書箱などが使われるケースが目立ち、被害防止のための取り組みが進んでいないという。融資保証金は経済情勢の悪化も影響しているとみられる。
都道府県別では、東京が74件(被害総額約9500万円)で最多。神奈川69件(同約7100万円)、埼玉53件(同約8800万円)も多かった。【千代崎聖史】
毎日新聞 2009年4月10日 21時39分(最終更新 4月10日 22時14分)