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現場から:命のとりで /神奈川

 「あと10年間、持つのか」。大学病院の医師の間で、こんな言葉が交わされているという。深刻化する勤務医不足を受け、政府は昨年、長年の抑制策から養成増に転じた。全国の大学医学部には今月、昨年度より約500人多い新入生約8500人が入学した。横浜市立大でも、約90人が緊張した面持ちで医学部長の言葉に耳を傾けた▼だが、彼らが一人前の医師になるには10年間かかる。長時間労働に学生指導の負担も増える現役医師たちは、それまで持ちこたえられるのか▼連載「医療クライシス」の取材で各地の医師に会うと、真剣に医療に取り組む人ほど苦しんでいるように思える。「取材なんか受けるひまはない!」と、悲鳴のような声で電話をたたき切られたこともある。最前線で命と向き合う医師のために人や予算を充てることが、なぜ難しいのか。私たちが命を預ける人たちが、追い詰められ続ける理由などないはずだ。【五味香織】

毎日新聞 2009年4月10日 地方版

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