8年前、東京女子医大病院で心臓手術を受けた少女が死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われ、1、2審で無罪判決を受けた医師について、検察側は上告を断念しました。無罪判決が確定することになります。
この事故は2001年3月、東京女子医大病院で、心臓手術を受けた当時12歳の平柳明香さんが人工心肺装置の操作ミスで死亡したとして、装置を担当した医師の佐藤一樹被告(45)が業務上過失致死の罪に問われたものです。
1審の東京地裁、2審の東京高裁でいずれも佐藤被告に無罪判決が言い渡されましたが、検察側は上告期限の10日、「専門家ですら意見が別れる問題で、判決に重大な事実誤認はなく上告理由が見いだせない」として、最高裁への上告を断念すると発表しました。
これで、佐藤被告の無罪が確定することになります。
10日午後、厚生労働省を訪れた平柳さんの遺族は、裁判で真相を究明するのは非常に難しいと訴え、医療事故を調査する第三者機関の早期設置を要望しました。
これに対して、厚労省は「検討しているところでできるだけ早くすすめていきたい」としています。(10日20:22)