かけまくもかしこきいざなぎのおほかみつくしのひむかのをどのあはぎはらに。
掛巻も恐き伊邪那岐の大神筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に。
みそぎはらひしときになりませるはらひどのおほかみたち。
御禊祓ひたまひし時に生り坐せる祓戸の大神たち。
かむながらなるおほみちのなかにうまれてありながらそのみかげをしふかくおもはずて
惟神なる大道の中に生まれて在りながら其御蔭をし深く思はずて
すめかみたちのみめぐみをおほろかにおもひたりしときにあやまちをかせるはさらなり。
皇神たちの御恵みを太呂加に思ひたりし時に過ち犯せるは更なり。
いまもつみけがれあらむをば。はらひたまひきよめたまへとまをすことを。
今も罪穢有らむをば。祓ひたまひ清め給へと白すことを。
やほよろづのかみたちともにきこしめせとかしこみかしこみもまをす
八百萬の神たち共に聞食せと恐み恐みも白す
はらひたまひ、きよめたまへ。はらひたまひ、きよめたまへ。はらひたまひ、きよめたまへ。
祓ひ給ひ、清め給へ。祓ひ給ひ、清め給へ。祓ひ給ひ、清め給へ。
かけまくもかしこきおほかみのおほまえにかしこみかしこみもまをさく。
掛巻も恐き大神の大前に恐み恐みも白さく。
おほかみのひろきあつきみたまのふゆによりて。
大神の広き厚き恩頼に依りて。
をしものきものすみかをはじめよろずのことら。
食物衣服住居を始め萬の事等。
もとむるまにへしめたまひつとむるまにならしめたまひ。
求むる任に得しめ給ひ勤むる任に成らしめ給ひ。
うからやからにぎびむつびひにけにうらやすくたのしくなでたまひまもりたまひて。
親族家族和び睦び日に殊に心安く楽しく撫で給ひ守り給ひて。
うつしよをさりぬるのちのたましひもとこしえにをさめたまひめぐみたまひ。
顕世を去りぬる後の魂も永久に治め給ひ恵み給ひ。
かくりよのみのりのまにかみのつらにいらしめたまひ。
幽冥の制の任に神の列に入らしめ給ひ。
はつこのいやつぎつぎをもまもりはきはひぬべく。あなないたまひたすけたまひて。
裔の弥次々をも守り幸ひぬべく。穴那比給ひ助け給ひて。
うつしよもかくりよもたのしみよろこびのかわることなくつくることなく。
現世も幽世も楽喜びの変わる事なく尽る事なく。
めぐみたまひうるはしみたまはむことをうれしみかたじけなみ。
恵み給ひ愛み給はむ事を嬉しみ辱けなみ。
たたへことをへまつらくをみこころもなごやかにきこしめせと。かしこみかしこみもまをす。
称言意奉らくを御心も平和に聞食せと。恐み恐みも白す。
かけまくもかしこきおほくにぬしのおほかみまたあいどのにますすめかみたちのおほまえに
かしこみかしこみもまをさく。
掛巻も畏き大国主大神又相殿にます皇神等の大前に恐み恐みも白さく。
おほかみたちのたかきたふときみめぐみのかげにかくろひ。
大神等の高き尊き御恵みの蔭に隠ろひ。
たひらげくやすらげくありふることをうれしみかたじけなみ。
平げく安らげく有経る事を嬉しみ忝なみ。
ひにけにおろがみまつることのさまをうまらにひろらにきこしめしあひうずなひたまひて。
日に異に拝み奉る事の状を美らに広らに聞食相諾ひ給ひて。
いまもゆくさきもいやましにみたまちはひたまひてあめのしたくにといふくに。
今も往先も弥益に御霊幸はひ給ひて天下国といふ国。
ひとといふひとのことごと。ありとあるものみなやすくおだひにたちさかへしめたまひ。
人といふ人の悉。有りと有る物皆安く隠に立栄しめ給ひ。
(名前)がいへにもみにもうちよりおこるわざわひなく。とよりいりくるまがごとなく。
(名前)が家にも身にも内より起る災害無く。外より入来る禍事無く。
うからやからどもさづけたまへるたましひはけがさじ。
親族家族等賦づけ給へる魂は穢さじ。
よざしたまへるなりはひはおこたらじとみををさめこころをはげまし。
依ざし給へる職業は怠らじと身を修め心を励まし。
ひととあるべきことはりのまに。いそしみつとめしめたまひ。
人と有る可き理の任に。恪しみ勤めしめ給ひ。
なしとなすことどもをば。さきくまさきくあらしめたまひて。やましきことなくわずらはしきことなく。
為と為す事等をば。幸く真幸く令在給ひて。病しき事なく煩はしき事なく。
うみのこのいやつぎつぎに。いへかどたかくひろくいやさかへにたちさかへしめたまへと。
子孫の弥継々に。家門高く広く弥栄に立栄しめ給へと。
こひのみまつらくをおほみこころもなごやかにきこしめせと。
乞祈奉らくを大御心も和柔に聞食せと。
(みあへのものそなへまつりて)かしこみかしこみもまをす。
(御饗の物供奉りて)恐み恐みも白す。
さきみたまくしみたままもりたまひさきはへたまへ
幸魂奇魂守り給ひ幸へ給へ
さきみたまくしみたままもりたまひさきはへたまへ
幸魂奇魂守り給ひ幸へ給へ
さきみたまくしみたままもりたまひさきはへたまへ
幸魂奇魂守り給ひ幸へ給へ