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アスベスト:医薬品1122種回収、市民ら大混乱(上)

 食品医薬品安全庁は9日、「トクサン・タルク」(トクサン薬品工業が輸入した中国産タルク〈滑石〉)をはじめ、8社が供給していたアスベスト含有タルクを原料とした錠剤などの医薬品1122品目について、販売と流通を禁止する措置を下した。また、各製薬会社は指定された医薬品をこの日午後から直ちに回収することを決めた。

 食品医薬品安全庁の尹汝杓(ユン・ヨピョ)庁長は「医薬品に含まれるアスベストは非常に少量のため、人体に害を与える可能性はほとんどないことが分かっている。しかし有害物質は微量でも体内に取り入れてはならないと判断し、禁止の決定を下した」と述べた。

 禁止された品目は120の製薬会社が製造する風邪薬、アレルギー治療剤、抗生物質、胃潰瘍(かいよう)治療剤などさまざまで、ほとんどが経口薬だが、軟こうなどもわずかに含まれている。ただし、すぐに代わりの薬が求められない11品目については、30日間(5月8日まで)の猶予期間を経て、5月9日から流通が禁止される。

 しかし、韓国国内で流通する3万4000種以上の医薬品の3%に該当する1122品目の医薬品について、流通と販売が一斉に禁止されたことから、消費者や製薬業界、病院、薬局などでは大きな混乱が起こることが予想される。ある製薬会社の関係者は「薬品大乱」と表現した。

1122品目の薬品に対し販売禁止措置が下された9日、薬局が密集するソウル市鍾路区の薬局前を市民が通り過ぎている。今回の「薬品回収大乱」で最も被害を受けたのはほかでもない、消費者だ。/写真=イ・テギョン記者

呉允煕(オ・ユンヒ)記者

キム・ギョンファ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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