Print this Post Article Lists Back

故チャンさん事務所社長、出頭はいつ?(中)

警察「電話が通じない」と不満げ

 警察はキム氏の所在地も確認できていない。文書が公開されてから1カ月過ぎた今になっても、警察が把握しているのは「キム氏は先月末まで東京にいた」という事実だけだ。警察とキム氏が直接接触したのは、先月25日に電話で話したのが最初で最後だった。キム氏は韓国の複数のマスコミとのインタビューに相次いで応じているが、「警察からの電話だけは取らないようだ」という説明を警察は繰り返している。

 警察は捜査を再開してから5日後の先月18日になって、インターポール(国際刑事警察機構)に手配を要請した。しかし実効性に乏しいという事実を後になって知り、手配を要請してから12日後には外交通商部にキム氏の旅券の無効化を要請した。警察は今月3日にキム氏の逮捕状の発行を受け、日本政府に対して犯罪人引き渡し請求手続きを開始したが、書類は今も日本政府に届いていない。

 警察は日本の携帯電話会社の基地局システムを把握し、キム氏の居場所をリアルタイムで追跡するとしている。しかしわずか数日で、「マスコミ報道が出てからキム氏が電話を切っている」としてマスコミに責任を転嫁した。出頭させるかどうかについての説明も一定しておらず、警察は責任回避ばかりを繰り返している。

◆警察には出頭させられない事情があるのか

 警察による捜査が進むと、文書には登場していないが酒の席に同席していた事実が明らかになった第3の有力人物が複数あらわになった。しかし彼らは文書に名前が載っていないという理由で、捜査対象から外された。一方文書に記載されてはいたが、疑いをかけられるだけの状況になかった人物たちは、キム氏が出頭して取り調べが行われるまで、個人的に非常に大きな衝撃を受けざるを得ない。まさに矛盾した状況が起こったのだ。その上、警察とマスコミの追跡の結果、キム氏が各界に幅広く人脈を築き上げてきた事実も少しずつ明らかになってきた。キム氏が事業を成功させるために数々のロビーを行った可能性が高まっている。一部では、「警察はキム氏が証言を行った場合の影響を心配し、キム氏を出頭させようとしないのではないか」という疑いの目も向けられている。

パク・スチャン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る