01年に東京女子医大で心臓手術を受けた女児が死亡した事故の裁判で、検察当局は10日、最高裁への上告を断念すると発表した。これで、医師の無罪が確定する。 この裁判は01年、群馬県の平柳明香さん(当時12)が東京女子医大で行われた心臓手術中の事故で死亡し、医師・佐藤一樹被告(45)が業務上過失致死の罪に問われ、一審に続き、東京高裁でも無罪を言い渡されていたもの。
東京高検は10日、「明確な上告理由が見いだせない」として最高裁への上告を断念すると発表した。これで、佐藤医師の無罪が確定する。佐藤医師は「東京女子医大が、自らの事故調査報告書がずさんなものであったことを認め、謝罪しない限り、終わることはない」とコメントしている。
一方、明香さんの両親は厚労省に要望書を提出し、医療事故調査の充実を求めた。また、医療現場でカルテだけではなく映像や音声の記録を残すことも求めていくという。