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社会

ヘルパー資格取得支援 中国残留孤児2、3世に 

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ヘルパーの体験談に耳を傾ける中国残留孤児2世ら=神戸市東灘区

 中国残留孤児の医療介護とその家族の就労を両立するため「中国『残留日本人孤児』を支援する兵庫の会」が、2世、3世を対象にヘルパー資格の取得支援に乗り出した。生活レベルを底上げする国の支援策が始まったものの、孤児の高齢化が深刻になっている。将来の不安を解消する取り組みだが、「言葉の壁」や費用が高額など道のりは厳しい。(飯田 憲)

 「資格取得にはどのくらい日数がかかりますか」「施設での実習を含め約四月かかります」。このほど、中国残留孤児二世対象の勉強会が神戸であった。三十-四十代の女性十一人が参加し、ホームヘルパー二級の資格を持つ女性の体験談に耳を傾けた。

 参加者の一人、柳瀬艶子(つやこ)さん(37)=宝塚市=は一世の母と中国人の父とともに一九九一年に日本へ。昨年から孤児の相談を受け付ける「支援相談員」として働いているが「両親も七十歳に近づき老後が不安。手に職を付ける意味でもヘルパー資格を取りたい」と話す。

 県によると、県内の中国残留孤児は今年二月現在、百八十一世帯。改正中国残留邦人支援法が昨年施行され、国民年金の満額支給と生活支援給付金の支給などが始まったが、地域との交流が深まらないまま不安を抱える孤児は多い。

 そんな中、兵庫の会は、孤児を支える二世、三世ら家族に注目。介護の問題や不安定な就労実態を解消しよう-と、ヘルパー資格の取得支援を考えた。

 大手の介護事業者と契約、厚生労働省の外郭団体「中国残留孤児援護基金」の援助を受け、一人当たり十万円近い費用の個人負担を軽減した。教材が読めない場合は日本語が堪能な二世との合同勉強会も開くという。

 残留孤児問題に詳しい神戸大学大学院の浅野慎一教授は「中国語ができるヘルパーの存在は孤児にとって心強い。二世の配偶者も大半は工場勤務で、不況の影響を受けているため安定した職業を得る意味で有効」と話す。

(4/8 10:29)


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