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映画散歩

スペシャル 編集部オリジナル企画

「レッド・クリフ PartII ―未来への最終決戦―」リン・チーリン インタビュー


日本でも人気の三国志をテーマに、最も有名な決戦「赤壁(レッド・クリフ)の戦い」を2部にわたって描いた映画「レッド・クリフ」。三国の一つ、呉の司令官周瑜の妻で、絶世の美女と称された小喬を演じたリン・チーリンが、10日からの「PartII」公開に先駆けて来日。作品への思いや今後の役者としての抱負を語った。


――前作「PartI」は大ヒットでした。なぜ多くの人に受け入れられたと思いますか?

日本の皆さんは、三国志のストーリーをとてもよく知っています。マンガもたくさんありますし。また普通、時代劇というと難しいものが多いのですが、この作品は今までの歴史を題材にした映画と全く違い、「希望」と「勇気」がテーマ。見る人を明るい気持ちにしてくれます。ジョン・ウー監督が、ユーモアもたっぷり交えているところも、多くの方々に支持された理由でしょう。

――モデルから女優へ初チャレンジですが、いかがでしたか?

他のキャストの皆さんはプロ中のプロ。私は見劣りしないよう、また、監督の信頼にこたえられるようにやっていこう、ということ以外頭にありませんでした。様々なトレーニングを始めてから約2年たちました。この2年は私の人生の中に深く刻まれていて、これからも記憶されていくと思います。

――撮影にむけてのトレーニングで楽しかったこと、苦労したことは?

この撮影では、ボイストレーニングや時代劇にふさわしい立ち居振る舞い、茶道など、いろいろなことを勉強しました。すべて楽しかったですが、中でも茶道と中国結びといわれる紐(ひも)を使った手工芸は大好きになりました。中国結びは、いつも手もとにおいて作っていました。

難しかったのは、やはり演技をすることですね。今までの私は、あまり自分の殻を破れず、いろんなことを自分の心の中にしまったままでした。でも、演技は自分の心の中にあるもの、つまり心の扉を開けて全部を出し、リラックスして、それらを演技として表現するということがわかってきました。

――演技に関して特に共演者からのアドバイスは?

特に個別に誰かからというより、チーム全体の雰囲気から学んでいきました。映画ってせいぜい見るのは2、3時間。でも作るのには2、3年かかります。映画製作にスタッフ、キャストがどれだけ長きにわたる情熱を傾けているかを知り、映画というものをとても尊敬するようになりました。

たとえば、ジョン・ウー監督は30年以上映画を撮り続けていますが、まだその情熱を保っています。戦場にいるように全体を指揮し、でも決して声を荒らげたりはしない、素晴らしい人です。

トニー・レオンさんから言われたことで印象深かったのは、演技をするのは「好きになることだ」と。面白いと感じたら演技ができる。それも映画に対する情熱です。演技の面白さを教えてくれました。

――リンさん演じる小喬(周瑜の妻)とヴィッキー・チャオ演じる尚香(孫権の妹)は対照的な二人の女性です。どちらが自分に近いと思いますか?

やはり小喬に近いと思いますね。尚香のようになりたいなと思うこともあるのですが、私の個性としては小喬かなと思います。

皆さんも私をパッとみたら、どちらかというと強さより柔らかさを感じられるのでは? ただ、監督はオーディションでキャスティングがまだ決まる前にお会いした時、「あなたはやわらかく見えるけど、内心強いところがあるね」と言ってくれました。すごく当たっていると思いましたね。どんな女性でも強さと柔らかさは兼ね備えていますから。

――他の共演者についてはいかがでしたか?

金城武さんが演じた孔明は私が思っていた孔明像と異なりました。彼が作り上げたもので、とても独特で魅力的になっています。

また、トニーさんは普段はとても穏やかで、激することなどない人。でも、映画の中では周瑜としてすごく強い面も見せている。そのあたり、素のトニーさんとは違う面を見せていますね。

――今後の抱負をお聞かせください

この映画に出演して、演じることが大好きになりました。これからも機会があったらさまざまな役を試していきたいです。こんな脚本、あんなキャラクターと限定するのではなく、いろいろとチャレンジして、自分の違った一面を発見していきたいですね。


(文 近藤深雪)

4/10(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー


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