2006年 06月 21日
高崎経済大学助教授 八木秀次氏の講演(要旨) 世界日報 「子供中心主義」が元凶に 学力低下、規律喪失促す 日本を滅ぼす「こんな教育」とは一言で言えば、マルクス主義に基づく教育です。さまざまな事例をご紹介しますが、その背後には皆、マルクス主義が潜んでいるのです。 ベルリンの壁が壊れて今年は十五年目。ヨーロッパでは冷戦の終結で、政権からマルキストを次々に放逐しました。ところが日本は逆に、冷戦の終焉(しゅうえん)後、社会主義政権を樹立させてしまった。細川連立政権には社会党が加わり、羽田内閣を経て、自社さ連立政権が誕生。村山富市という社会党左派を首班に担ぎ、五十嵐広三が官房長官となり、文字通り官邸を社会党が握ってしまいます。今日、おかしな現象がいろいろ出てきていますが、その背景には、細川政権発足以来の政権の左傾化があります。 「ゆとり教育」は紛れもなく、自社さ連立の負の遺産です。家永教科書裁判に見られるように、かつての文部省は保守的でタカ派といわれましたが、平成七年、日教組と歴史的和解をし、いわば日教組化してしまいました。実際、文科省中枢にいた人は私に、「あの和解以来、文部省内の左翼が勢いづいた。そうでなければ、寺脇研氏とか小野元之元事務次官などが出世するわけがない」と伝えています。 ゆとり教育は一九七〇年代以降、日教組が主張してきた子供中心主義を、文科省が取り入れたにすぎません。学習の内容が平成14年度から3割減らされましたが、その前にすでに3割減らされています。合わせて5割減らされた結果になります。70年代、校内暴力などがはびこり、問題となった時、日教組を指導する学者は詰め込み教育によるストレスが原因だ、だから暴力を振るい、素行が悪くなっている、勉強量を減らせ子供の自主的にさせたらよい、と唱えました。 しかし、子供たちの自主性に任せて学力が付くのかといえば、私たちの経験から見ても夢物語です。子供たちは2、30年後の日本の中核になる存在です。彼らの学力が急激に落ちているのです。今日、日本以外の国では国民の質向上のため、教育に力を注ぎ、子供たちを徹底的に鍛えています。国際競争に勝つため、詰め込み教育どころか、ムチで叩(たた)いて教育の「再武装」をしています。ところが、日本は教育の「一方的武装解除」をして、どんどん質的低下をもたらしています。 IT大国インドの小学校では、19×19までの掛け算の暗唱を徹底してやらせます。日本のように小学校からコンピューターに触らせれば、コンピューターを操作できてもハードやソフトの開発をできる人間は育たないという考えからです。先日見ていたテレビで、アメリカの公立民営の学校では朝七時半から五時半までみっちり勉強させています。この学校を卒業したメキシコ移民の子は、スタンフォード大学医学部に合格。その学校に掲げられている標語は、「知は力なり」です。これは国家においても同様で、国民の知は国際的な力になる。しかし、日本の教育の方向は他の国々と全く反対方向に進んでいるのです。子供たちの自主性に任せる、という美名の下に学力の低下と規律の喪失が進んでいます。 戦後、GHQ(連合国軍総司令部)によって道徳教育を担ってきた教育勅語が否定された後、これに代わる道徳教育の理念はいまだ示されていません。今、学校で行われているのは、「人権教育」。その中で最大、子供たちをダメにするのが、子供にかかわることは自分で決めてよいという「子供の自己決定権」で、これが教育界を覆っております。 日本各地で子供の権利条例なるものが制定されていますが、そのキーワードは、「子供の自己決定」です。自分にかかわることを自分で決めてよい、となれば、自分の意思を締め付ける道徳規範は否定されます。道徳は人間の欲望を抑制する働きを持ちますが、「子供の自己決定」は自己の意思や欲望を大いに発散させようということ。両者のベクトルは全く逆です。 川崎市の子供の権利条例の中には、「ありのままの自分でいる権利」がうたわれています。今の状態をそのまま認めるということは人格的にも学力面でも成長しなくてもよい、ということです。また、秘密を保持する権利、安心できる場所で体を休ませ余暇を持つ権利が定められています。この論理でいけば、勉強しないでごろごろしている子供を親が注意することも、子供の携帯電話に触れることもできなくなる。つまり、親や教師の躾(しつけ)、教育をする手足を奪ってしまうのです。 平成61年3月に高知県で制定された県の子供条例には、「自分を探す権利」というものがあります。「今のあなたは本当のあなたではありませんよ。親や教師など大人が都合よく作ったあなたですよ。どこかに本当のあなたがいるはずですから、それを探しましょう」とけしかけるものです。 これは典型的な洗脳です。現在の自分を否定させ、「本当のあなた」というものを吹き込む。すると逆に、大人になって自分で決められなくなる。決めなさいといわれてもどう決めてよいのか、その基準を教えてもらえない。どう決めてよいのかが分からない。そのようにして、ずっと過ごしてしまう。ニート(無業者)は、そういう所産ではないでしょうか。 <性教育は社会革命の手段/純潔意識を下げる若者> 学校でなぜ、低学年から親もびっくりするような性教育をするのか。人形を使い、実演入りで教える。推進派の主張は、性情報が氾濫(はんらん)しているので正しい性知識を早い段階で教える必要がある、その上で子供たちに自己決定させようという。しかし、これは間違いです。子供たちに「あなたは性の知識をどこから知りましたか」という調査をすると、60数%が「学校、教師から」という答えが返ってくる。これは、厚生労働省関連のデータです。子供が何も知らない段階で教師が教え込んでいるのです。これら性教育を教える背景には共産党系の団体が存在します。 性を解放させることで、世の中の規範秩序を破壊することが目的です。たとえば性に対して女性が消極的で受身ならば、そんなものはやめましょう、性に対してもっと解放的でありましょうといいます。そうすれば、性秩序や規範は崩れる。このような社会革命を主張するドイツのヴィルヘルム・ライヒの思想が背景にあって、性教協(“人間と性”教育研究協議会)が非常識な性教育を行っている。 彼らは、男と女とはたとえ結婚に結び付かなくても婚前でも婚外でも、たとえ親子の不倫でも師弟でもまさに階級や身分制度を超えて愛し合うことは可能だ、と主張します。近親相姦(そうかん)の勧め、です。このような過激な性教育によって、日本の若者の性規範がどんどん壊されている。最近の報道でも、高校男子の性体験率35・8%、女子が47・3%。しかもその女子の13・9%がクラミジアに感染しているというデータが紹介されています。 将来、母親になる彼女たちが、不妊症や子宮がんになる要因を学校教育がつくっている。これほど犯罪的な行為はないと思います。 ジェンダーフリー教育の背景もまたマルクス主義です。上野千鶴子、大澤真理、船橋邦子、橋本ヒロ子などの各氏はいずれもマルクス主義フェミニズムの立場にある人たちです。最近、彼らは、マルクス主義を隠そうとしていますが、ジェンダーフリーの旗を振っているのは共産党、社民党、民主党左派です。新左翼もいます。 男女共同参画社会基本法も自社さ連立政権時代の所産です。第二次橋本政権時、社会党と新党さきがけが閣外協力する際、この法律を作ることが合意されています。教育の現場では、ジェンダーフリーの象徴である、おかまの授業が行われたり、男らしさ、女らしさの意識が奪われています。 ゆとり教育で国語算数などの授業が減らされる一方で、性教育やジェンダーフリー教育などおかしな授業がどんどん行われ、結果、男らしさ女らしさや結婚前の純潔について国際比較をしたところ、日本の高校生だけが極端に低い。日本だけが特殊な教育をしている証左です。 この結果に対して内閣府男女共同参画局総務課総括補佐、齊藤馨氏が、「素直に喜びたい」とコメントしています。確信犯ではありませんか。突出している日本の若者の考え方を国際標準に戻すべきではないですか。 最後に教科書問題。私がかかわっている扶桑社以外のすべての教科書はあきれるほどマルクス主義に染まっています。あまりに露骨な階級闘争史観一色です。「立ち上がれ、抵抗しろ、権力と戦え」という思想を刷り込むための道具が歴史教科書なのです。 そして、中学公民の教科書では差別・環境・外国人の地方参政権などで戦いなさいと教えるというストーリーです。 昭和57年の教科書「侵略・進出書き換え誤報」で「近隣諸国条項」が定められて以来、日本の子供たちが使う教科書を事実上、近隣諸国が検閲することになっています。この条項ができたため、歴史的事実かどうかよりも国際協調を優先し、近隣諸国の主張を書きなさいということになったのです。 このような日本の教育の現状は、レーガン大統領やサッチャー首相が登場する前のアメリカやイギリスの教育界と酷似しています。それを変えるには、保守主義の明確な思想を持った政治リーダーが出てこないといけない。近い将来、日本でも保守主義革命が起こる可能性はあります。そうなれば、こうした問題はなくなるはずです。そうした機運を盛り上げるためには幅広い国民運動が必要です。 ※「知は力なり」。まさにその通りだ。知っているという事は力なのだ。知らないからこそ、騙されたり惑わされたりするのだ。「これは正しい」「これは間違っている」ということに関して、ある程度、知識として整理ができていないと、判断ができない。 だから子供たちには、「知識は力を生む。知っているということは、結果として力になるのだ」ということを教えなければならない。加えて、「知識は自由を与えてくれる」ということも教える必要がある。 知識を持っていればこそ、他人の意見などに迷わされずに、自分なりの主体的な判断をすることができるのであり、主体的な判断ができなければ、集団主義で動くしかなく、他人の言うなりの人生になってしまう。それは知が足りないからなのだ。他の人たちと一緒に集団で動くことしかできないのであれば、自分で判断をするだけの知がないということだ。 「真理は汝を自由ならしめん」とよく言われるが、真なる知識は自由を与えてくれる。真なる知識を手に入れることによって、自由な判断、自由な考え方ができるようになるのだ。きっちりとした知識を手に入れていれば、自由が得られ、自由を得た結果、幸福を得ることができる。幸福の基準を自分の内に持つことが可能になるからだ。 幸福の基準が自分の外にある人は、最終的な幸福者にはなれない。まわりの人たちから、「ああいう人は幸福だろう」と言われることを追い求めていたのでは、幸福は得られないのだ。しかし、自分の内的な力によって自由を得たならば、幸福を得ることができる。 このように、知識は力であり、また、人間に自由をも与えてくれ、結果的に幸福をもたらしてくれるのであり、学校の教師は、この因果関係を知り、かつ教える必要がある。そのためにはサラリーマン教師ではだめで、「給料の分だけ働けばよい」と思っている教師が教えても、結局、子供には伝わらない。 その教師自身が、知ることの喜びを知り、知を愛し、知を楽しむ人生を生きているのであれば、それを他の人に教えることができる。しかも、それは言葉だけではなく人生態度によって教えることもできるのだ。現在の教育関係者の多くはこの事を全くわかっていない様で、いかに低レベルの教育者に成り下がっているかがお分かりいただけると思う。 by sakura4987 | 2006-06-21 11:46 | ■教育(ゆとり・学力低下)
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