摂津市教育委員会が小中学生を対象に行った携帯電話に関する調査で「人の嫌がることをした」経験があると回答したのは中1女子で18%にのぼることが明らかになった。メールやネットでのいじめや自殺は全国で相次いでいることから、市教委では「危険性についての教育を強化したい」としている。
昨年12月、市内15校の小学5年〜中学3年3341人から回答を得た。携帯所有率は小5で36%、中3で72%だった。そのうち「よく使う機能」(複数選択)として93%が「メール」、52%が「サイト閲覧」を挙げ、「通話」(41%)を上回っている。
メールやネットをめぐるトラブルについての質問で「人の嫌がることをした」経験があると回答したのは、所有率が、小6の41%から66%に急増する中1が最も多く、男子13%、女子18%だった。
具体的な内容(複数選択)は、チェーンメールを送った(63%)▽メールで悪口を送った(38%)▽掲示板やブログに悪口(24%)▽なりすまし(14%)−などで、理由として「仕返し」「悪気はなかった」などが挙がった。
文部科学省の調査では、ネット掲示板の「学校裏サイト」や自己紹介サイト「プロフ」の書き込みによるいじめは増加傾向で、平成19年度は前年度比約1000件増の5900件。昨年10月にはさいたま市の中3女子がプロフへの書き込みを苦に自殺するなど、「ネットいじめ」への対策は大きな課題となっている。
市教委は、3月にはNPO「青少年メディア研究協会」から講師を招き、講習会を開いた。また、これまで希望する中学校でのみ開いていた携帯電話の講習会を小学校やPTAでも開催する方針。市教委では「危険性についての認識を、子供だけでなく親や教師にも広げる必要がある」としている。
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